違った道の隻眼女【坂田銀時】

第43話 ページ44

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貴「ぎ、銀と………き……」









名前の主の声に目を見開く









銀時「よぉ。久しぶりだな」









貴「ど、どうして………………」








銀時「お前が呼んだんだろ」









「何者だ」








貴「銀時、帰れ。

私は江戸に行く。最後の別れだ。」









ずかずかと近寄ってくる父から目を離さず伝える









銀時「呼んどいて帰れはねぇだろ」









貴「んなこと言ってる場合じゃねぇ！」









白髪を見て噂を思い出したのか







刀に手をかける父









銀時「帰るのはお前だろ。」









帰るぞ、そう言って私の手をひき走り出した銀時









貴「お、おい！銀時！！」








銀時「うるせぇな、なんだよ」







貴「なんだよじゃねぇよ！役人が動いたらどうすんだ！


お前たちを巻き込むわけにはいかねぇ！」








銀時「後ろ、見てみろよ。」








貴「え？」









その言葉にパッと後ろを振り向き目を見開く









「行ってらっしゃい」









呆れたように眉間を指でつまむ父の横で







優しく微笑み母がそういった









貴「母、上…………」









銀時「お前のペット、捜索協力の紙沈めに街出てたらしいが



その時に貰ったんだろ。お前の母親からの手紙。」









貴「手紙……………？」









銀時「連れ出してやってくれってな。」








貴「………………………」









銀時「あの様子だとずっと説得してたんじゃねーか？」








貴「……………うん………」








銀時「あとで文返してやれよ」









貴「………………………うん……。」









最後にもう一度振り返り笑顔で手を振る母に頭を下げた









そして私は銀時の手を強く握り直した









・・・









「あの子が銀時君ね。」









「はぁ…。たくお前はあいつに甘い。


家出されたとは公にできん。勘当だ。」






「元気でね…………」

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