色を知らないお前に見せたい色、戸惑う色【高杉晋助】

第9話 ページ9

貴方side







早朝、人が少ない時間を狙い




髪をおろし着物の数を減らして高杉様の横を歩く







高杉「………綺麗な髪だな。」






貴「そうなんですか」






高杉「あぁ。綺麗な黒髪だ」






貴「高杉様は………」






高杉「なんだと思う」







貴「ん………………………」






高杉「………………」






貴「んー…………………」






高杉「…………………ﾌｯ…」






貴「高杉様………………………」






綺麗な顔がもたらす笑顔はさらに綺麗なものだった




肌色がどういうもので



深緑がどういう深さで



まだ知らぬその艷やかな髪が何色か分かれば



私は高杉晋助という色をやっと見れるのでしょう








高杉「すまない。お前には難しかったな」






貴「何色でございますか？」







高杉「紫。」







貴「紫…………」







高杉「お前の髪よりのな」






貴「黒よりの紫…。」






高杉「んな深く考えずともいつか見せてやらァ。」






貴「……………高杉様…」







高杉「最初に何色が見たい」







貴「高杉様の瞳を」






高杉「即答だな」







貴「ずっと思ってました。」

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