色を知らないお前に見せたい色、戸惑う色【高杉晋助】

第4話 ページ4

貴方side








緑輝「冗談ですよ。」







そう言って微笑みながら反対の箸を返す









高杉「……………そうか」







緑輝「お酒、注ぎますね」







高杉「……………あぁ。」






緑輝「高杉様は地上でどんなことをなされているのですか」







高杉「………色々だ」







緑輝「侍、ですよね」







高杉「まぁ」







緑輝「その左目も刀傷ですか…？」







高杉「あぁ。」







緑輝「まさかとは思いましたが………



高杉様。貴方様はあの鬼兵隊総督、高杉晋助でございますか」







高杉「………さぁな」







緑輝「大丈夫ですよ。貴方様のことは口外しません。」







高杉「…………」







緑輝「世界を渡り歩いてる貴方様なら


地上の事、たくさん知っていらっしゃるのでしょう

お話、お聞かせください」







高杉「地上の事が知りたいなら

自分の目で確かめたらどうだ


攫ってやらァ」







緑輝「……………自分の目で、ですか…」







見たって一色の世界は面白くない…







緑輝「遊女が吉原から出るのは禁じられております」





高杉「だから俺が攫ってやる」





緑輝「役人に追われますよ」





高杉「俺は国から追われてんだ。慣れてらァ」





緑輝「ﾌｯ……。やはりあの高杉晋助となると仰ることが違いますね」





高杉「俺はできねぇほらは吹かねぇよ。」






緑輝「さようですか」






高杉「あぁ。」






緑輝「でも私がいて邪魔にならないでしょうか」






高杉「構わねぇさ。お前さんなら歓迎するぜ」






緑輝「ﾌﾌ、お顔に似合わずご冗談がうまいことで」







高杉「別に冗談言ったつもりはねぇが


決めるのはお前さんだ。好きな方を選んだらいい。」







緑輝「高杉様…。」







高杉「考えときな。」









緑輝「…もう行かれるのですか？」






高杉「あぁ」






緑輝「お酌だけとは……」






高杉「俺は酒飲みに来ただけだ。」






緑輝「本当に女には興味がないのですね」






高杉「なんだ太夫として悔しいのか」







緑輝「いえ……そういう訳では」







高杉「………お前さんには少し興味があるがな」







緑輝「高杉様？」








高杉「…………また来る。じゃあな」








ここに来て私を抱かなかった男は初めてだった




謎の多い方だったな………







そんな彼を私は知りたいと思い始めていた…

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