Blue and sweet * :ﾟ

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「どう？」

「うーん…」

1件目の物件。選んだ3件の中でもいちばん安いここは、造りが古いようだ

「私、IHで生きてきたからガス使えるかな…」


…むりだ


「ガスは危険、次行こう」


「わ、書いてあったや…ごめん」


どうやら二口ガスコンロと書いてあったみたい


「いいよいいよ、次は…豊中の方か」








「これ俺の住んでるとこ」


「えっ！そうなの！」


今回の物件は俺のマンションと近くて、どこへ行くのもアクセスもいいし治安もいい。

あおの会社も徒歩圏内で行ける。
部屋を見ていないけど良物件だと思う


「いいとこ住んでるね〜
世間知らずの私でもわかるよ、高級住宅街ってやつ」


「そういえば、今日はどこに泊まるの？」


「あー御堂筋の方だよ。さっき荷物置きに行ったんだ」


自分から言うつもりはなかったけど、泊めて、と言われれば泊めようと思っていた。

でも、あおは例え俺が泊まりなと言っても断っただろうな



幼馴染で小さい頃から知っているけど、あおは俺に対して踏み込みすぎないようにしているのがわかる。



「ここはもう、今日だけで内見する方が本当に多い人気な物件です。どうぞお入りください」


さっきの不動産の人は入る前に説明だけして待っていてくれたのに、今回はひとつずつ説明するバスツアー形式だ


「まず、こちら白い床が女性に好まれますね」


「そうなんですね」


まったく話に興味無さそうなあおは返事をしながらトイレを覗いていて
「トイレ広っ」なんて言ってる


ひと通り見終わり、「はーちごーか」外の景色を眺めながら呟いている。


ここの家賃は8万5千円で手当は2万5千円らしい。

「明日もう1件見る予定あるので、考えさせてください。
退勤ギリギリにありがとうございました」


「結構いいと思ったけど、明日の気になるの？」


「ううん、凄くいいと思ったよ。1人で住むには広いし、綺麗だし、IHだし」


明日のはたしか…街中からは離れていて家賃は6万くらいだったか…

あおがどのくらいもらってるか分からないけど、やっぱり厳しいのかな




「あそこに住んだら、由伸が近すぎると思うんだよね」


「…どういうこと？」


それは嫌という意味なのか、それとも…


「えー頼っちゃうじゃん」


「………」



"頼ってよ"こんなことですら、言えない。
どうして、頼ってくれていいのに。


色んな言葉を考えても、結局口に出せなかった

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