Blue and sweet * :ﾟ

ダルゴナコーヒー(Yuki Yanagita) ページ23

苦しい。

きょうも、眠れない。



6月から今の11月まで眠れない日が続いている。
唯一安眠できたのは、8月のお盆休みに実家に帰った2日間だけ。


夏が終わる頃までは、いくら眠れなくても布団に入り目を瞑り続けた。

一日のことを振り返り、漠然としたことに不安を抱き、涙を流したり…そんなのばかりだ。


眠れないなら起きていようと、ドラマや映画を観るようにした。集中して観ていると不安は消え寝落ちすることもあった。

でも、集中がぷつんと切れた瞬間に、一気に明日の仕事を考え憂鬱になり、気が気でなくなる。




そして、1か月前の10月から夜風が気持ちいいことに気づいて軽く散歩するようになった。

私の家から天神まで散歩にちょうどいい距離で15分ほどで着く。



ネオン街は自分が思っているよりも私の心を和らげた。

この光の数だけ、人が働き、また人が仕事を終えてつかの間の時間を楽しんでいるんだと考えると、みんな同じだ、わたしも頑張ろうと思える。


光と影の境目なんて言ってみるけど、そこの階段をしばらく上がると高台になっていてネオン街を見渡せる。


夜しか来たことないからわからないけど、たぶん海が見える素晴らしい景色なんじゃないかと思う

けど、私は光り輝いているネオンが好き。
自分の心を照らし、満たされる気持ちになるんだ。



それを1か月以上続けていた頃、初めて自分の居場所に人がいた。


いま、何時だっけ…スマホを開くと26時12分…

いつも24時前に布団には入っているけどそこから時間を意識して過ごさないから毎日自分がどのくらい外にいるのか知らない



こんな時間に何しているんだろう。
いや、私もか。



私に気づくことなく、ネオン街を見つめている彼の顔は少し照らされていて鼻の高さから整っている顔なんだとわかる

どんなことを考えて彼はこの風景を見ているのだろう



この日は、眩しいくらいの街を暗いところから眺める日課から、男性の邪魔をしないようにいつもの景色に男性を入れて望んだ


しばらくして、彼がいなくなり私もすぐ帰宅した。




彼の横顔が忘れられない。

たしかに疲れているようではあったけど、目に光が写っている影響なのか、希望を宿していると感じた



この時のことはよく覚えている。
夜のひとりの時間に不安を1ミリも心になかった。

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