" The Greatest " second

ごじゅーきゅー ページ10

「ね、ね森くん」




「んー？」




「私、ソファーで寝るよ、地べたでもいいけど」




「え、なんで？」




「私めちゃくちゃ寝相悪いんだよね」



私もお風呂に入って、そろそろ寝ようかという雰囲気になったところ

言わなくては、とやっと言った



「知ってるよ？」



知ってる………？

知ってるとは………？私森くんと寝たことないよね…




「あおの誕生日の時車でめっちゃ殴られたし、ベッドに寝かせた時も半分落ちてたし」




…………碧夏21歳絶句




「何で起こしてくれなかったの……！！っていうか言ってよ！！」



「そんな怒る？起こすわけないやん。
あおに殴られても痛くはなかったけどタイミング的に何回か事故るかと焦ってたわ」




「……恥ずかしいーもーー寝相悪いの知られてた」




「ま、大人しく一緒に寝よ」




「うん」





「うんって言うた！」




「え、え？」



「さっきから何でもはぐらかすからー」



やっぱり私の前での森くんは不機嫌になることなんてほとんとなくて、優しくて、大人っぽい


私のことをいちばんに考えてくれている気がする




電気を消して森くんの大きなベッドにふたりで入る


「森くん」



「うん？」



「いつ言おうかと思ってたんだけど」



「ん」



「前の彼女さんのこと話してなかったの？」



ずっと聞けずにいた


森くんの気持ちはわかっているし、嫉妬とかじゃなくて


あまり森くんと女性の話したことないからどんな感じになっちゃうかなって思っていた




「俺あおが初めてなん、みんなに話したい自慢したいって思ったの」



「うん」



「あおが気にしてるかなってたまに考えてたんやけど、やっぱ嫌やろ？」



「嫌ではないよ…それが普通だと思うし、」


今時付き合ったことのない子の方が少ないと思うし、私は単にそんな機会がなかったから


もし私だって、告白とかされたりしていたら付き合っていたかもしれない


だって森くんと両思いだなんて考えてもいなかったから



「俺は気にしてる」



背を向けてお互い話していたのに森くんは私を後ろからぎゅっと抱き締めた



「森くんモテモテだったじゃん」



「モテんし、今思えばびびらずあおに想い伝えていればよかったな」



「森くん」



「中学、高校、ずっと一緒やったのにってたまに気にしてる」



振り向いて森くんの顔を見れば声色の通りの後悔してるって顔をしていて


もしかしたら泣いてしまうのではという瞳


森くんの首に腕を回して



顔を埋めて





「今一緒だからいいの、気にしないで」

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