成り代わりは知っている

貴方に愛の言葉を。ー黒木貴和ー ページ39

「流石国語のエキスパートって感じの部屋だね。」
「そ？」

貴和が私の家に来た。所謂お家デート。
座っている貴和の横に私も座って、肩に頭をのせる。


「ね、貴和。聞いてよ。」
「ん？」

私の頭を撫でながら聞く体制をとる貴和。


「私ね、世界で一番、誰よりも貴和が好き。」

貴和の、私の頭を撫でる手が止まった。

「私、ずっと、貴和のそばにいたい。」

する、と私の頭から手が離れた。
頭を上げて貴和を見てみると、貴和は右膝と下ろした右腕で顔を隠していた。

「今はこっち、見ないで。」
「…やだ。」
「……手のかかるお姫様だ。」

小さく息をついた貴和は顔を隠すのを止め、私を見つめた。
その顔はもう照れてなどいない。



「俺をその気にさせて、逃げられると思わないで。」
「もう絶対、離さない。」

貴和は私にキスをして、そのまま押し倒した。

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