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あの直談判に100％効果があって退学が撤回されたとは思ってない。藤田さんをはじめとした生徒たちが立て篭もったり、話によれば担任の先生までもが抗議に参加したらしいし。
難破くんを助けたいというみんなの熱意が集まって、それが届いた結果だとわたしは思う。ひとつでも欠けてたら、きっとこの結末は迎えられてなかった。
「人のために頭下げるなんて人生で初めてしたよ」
「俺もだよ」
「何だかんだ、みんな難破くんが好きなんですよ」
「それ俺が今言おうとしたのに！」
「早い者勝ちです」
「ったく！……まあ、なんつーの？難破のおかげでお前らにも会えたしよ、大袈裟に言や人生変わったっつーか」
「うん、大袈裟だな」
直樹くんは小さく鼻で笑うけど、わたしは大丸くんの意見に賛成かも。大袈裟でもなんでもなく、みんなのおかげで灰色だったわたしの人生は色づいたと思う。
名台詞吐いたったみたいな顔して言ってのけた大丸くんは、そんな一言を一蹴されてムッとしながら身を乗り出した。
「あのなぁ、お前みたいな陰キャ、難破がいなかったらずっと独りぼっちだったぞ」
「う゛っ」
「うるせえよ。あとそれ違う方面に刺さってんぞ」
「あ？……ウワッ、大丈夫か姉御！」
きゅうしょ に あたった！こうか は ばつぐんだ！！
直樹くんが陰キャならわたしは何なんでしょうか、陰キャの更に下…もう陽すら当たらない……地中？地中に生きた何か？ジャガイモ？
「あ、今日さ、広島から水野来てんだよ。だから俺もう行かないと」
瀕死のわたしを残して、一足先にラーメンを食べ終えた大丸くんがさっさと席を立つので。いつも遅くまで遊びたがる彼が慌てて帰ろうとするなんて珍しいなと思いつつ、直後に出てきた水野さんの名前に納得した。広島での一件を経て遠距離恋愛の彼らの仲は、聞くまでもなく順調みたい。
大丸くんはお会計そっちのけで、「多分ここ伍代ペイ対応してるから！」とだけ残して店を飛び出して行った。お言葉ですがそんなペイどこも対応してないと思います。直樹くんもこれには声を荒げていました。
「……あ」
「どした？」
「お財布忘れちゃいました」
「…ふっ、お前さァ」
大丸くんのちゃっかり具合に呆れつつも、彼のおふざけに乗っかりたくなって。
財布は持っているけれど、ぱちんと顔の前で両手を合わせれば、何故か嬉しそうな直樹くんは長くため息を吐いて、わしゃわしゃとわたしの頭を撫でた。
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続く
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
