#クランクアップ ページ31
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「姉崎双葉役、天城Aさんオールアップです！」
最後のカットがかかると、スタッフさんが高らかに宣言する。ワッと拍手が沸き起こった。
「はいオメデト」
「どうもでーす」
「コメント頼むね」
「了解」
見慣れたマネージャーから手渡された豪華なピンクの花束。色違いのそれを抱えた間宮さん、楓珠くん、慎太郎くんの横に並ぶ。この4人でこうして撮影するのもこれで最後かぁ。いやあ、長いようであっという間でした。
わたしが演じた姉崎双葉は、ふたりのいじめっ子に引っ張られるまま不良の世界に飛び込んで、そこで大切なものを見つけて生まれ変わった、まさしくシンデレラストーリーを歩む今作のサブヒロイン。
根暗で自分に自信はないけれど、しっかりした芯と仲間を思う純粋な心を持つ、弱いけど強い女の子だ。
「えっと……正直、この役いただいた時はかなり難しい役だなって思いました。でも向き合ううちに色んな一面を知れて、少しづつ理解していくうちに双葉が大好きになりました」
カメラを向けられて話してるうちに、これで終わっちゃうんだなって実感がみるみる湧いてきて。視界が潤んで、熱い滴が堰を切ったように溢れ出した。
「あと……っ、ほんとにスタッフの皆さんもキャストの皆さんも暖かくて、この数ヶ月めちゃくちゃ楽しくて……！」
カーディガンの袖で拭っても拭っても、涙は止まることを知らないどころか、更に勢いを増して流れていく。とうとう言葉に詰まってしゃっくり上げてしまうと、助け舟を出してくれるのは、やっぱりいつもの3人だった。
楓珠くんは優しく優しくぎゅーっと抱きしめてくれて、間宮さんは力強く背中を叩いてくれて、慎太郎くんはこっちまで笑顔になるくらい明るく接してくれる。
「おーい、何泣いてんだよA！」
「俺らも楽しかったよ、ありがとう」
「ちょっと泣いちゃったじゃん男子ィ！」
4人団子になって抱き合ってたらお花が崩れちゃったけど、それすら楽しくって。涙でぐずぐずの顔で笑いあった。
泣いたり笑ったり怒ったり忙しない現場だった。でもこの時間だけは本当に高校生に戻れたような、紛れもなく私の“青春”だったなぁと思う。
「本当にありがとうございました！！」
深々と頭を下げると、初めてブリーチした金髪がさらさらと流れて。再び拍手が喝采する。
いつか、また。
こうやってみんなで会えるといいな。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
