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わたしたちの行動にどれだけの効果があったかは分からない。ただ、少しでも先生たちが難破くんの心に目を向けてくれればと、それだけを願っていた。そうしたらきっと、必ず分かってくれるはずだから。
「悪ぃな、アイツ出てこねえわ」
あれから大丸くんはふらっとどこかへ行ってしまったので、難破くんが直樹くん家にいる間預かってた松を返しがてら、ふたりで彼の家を訪れていた。
階段を降りてきたナオミさんが眉を下げて首を振るので、「そうですか」と呟いて直樹くんと顔を見合わせる。
難破くんの様子は、吟子ちゃんからちょくちょく教えてもらってたけど。やっぱりちゃんと顔を見て話したいじゃない。……でも、こんな時だからこそ誰にも会いたくないのかもね。
「あ！そうだそうだそうだ、落花生あんだよ。ちょうど二袋あっから。松とさ、剛が世話になった例だよ」
にこやかに笑ったナオミさんに落花生の入った袋をずいっと渡されたので、有難く受け取ることにした。やった。おやつにします。
こうして見てる限りじゃ、ご両親はいつもと変わらず暖かくて。吟子ちゃんの言っていた通り、きちんと和解できたんだとほっとした。
……となると、問題は。
「あの、猛さんは？」
「猛の野郎、無職のくせにどこほっつき歩いてんだ」
猛さんにさえ認めてもらえれば、難破くんは堂々と白百合に通って、美大進学の夢を追いかけられる。それなのに猛さんは難破くんがヤンキーから足を洗おうとしていることを頑なに受け入れたくないみたいで。
そこでタイミングよく帰ってきた猛さんは、わたしたちの顔を見るなり不機嫌そうに舌打ちをして、ナオミさんが呼び止める声を振り切って部屋へ消えて行ってしまった。
「剛が戻ってきたと思ったらさ、今度は猛がアレだよ」
「まだ怒ってるんですか？」
「猛には猛の通すべき筋がな……」
かつて関東を制覇した筋金入りのヤンキーで、難破くんが強い人たちを倒すことを誰よりも期待していた猛さん。弟がいつか全国制覇することを夢見て、背負わせた期待を、そう簡単に降ろす訳にはいかなかったんだろう。
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
