#驟雨の悲劇 ページ14
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それから時は流れて。
夏休みは終わり、高校生活最後の二学期が始まった。
難破くんは変わらず直樹くんの家から白百合に通っている。まぁもちろん心配ではあるけど、難破くんと猛さんなら大丈夫だって、そう信じていたのは直樹くんも同じだったようで、何も言わずに彼を受け入れていた。
……んだけど。
ここで二重生活最大の悲劇が、幕を開けてしまったのだ。
「吟子ちゃん……？ねえ大丈夫？！」
突如スマホが震えて着信音が鳴った。その相手は吟子ちゃんで、まだ授業中だろうにどうしたのかな、なんて思いながら出たらこれだ。
吟子ちゃんがすすり泣く後ろで、怒号と悲鳴が飛び交っている。時折、ガシャーン！と耳を劈くような破壊音が鳴り響くので、わたしは思わずスマホを離した。
そんな様子に、一緒にいた直樹くんと、例のごとく市松に遊びに来ていた大丸くんが、只事ではないと察して近づいてくる。ふたりにも聞こえるように通話をスピーカーモードにすると、わんわん泣きながら吟子ちゃんは訴えた。
『ヤバそうな連中が兄ちゃん捜して白百合に乗り込んで来やがった！！』
「「「はァ？！」」」
その言葉に弾かれたように教室を飛び出して、慌てて廊下の窓を開けると、白百合の校門前に厳つい車が停まってるのか見えて。車に負けず劣らずの厳つい格好したヤンキーたちが武器を片手に生徒を追い回している。……なんだこれ、控えめに言って地獄絵図じゃん。
『こうなったらもう兄ちゃんひとりじゃどうにもなんないよ！』
切羽詰まった吟子ちゃんの声に拍車をかけるように、キャー！と女子生徒の叫び声が響く。
特服のヤンキーと喧嘩がしたくて難破くんを狙ってきた連中は山ほどいたけど、今回の事態は今までとは訳が違う。学校にまで乗り込まれてしまっては、隠しながら戦いようがない。
どうしようどうしようとわたしまでパニックになりかけていると、冷静に思考を巡らせた直樹くんが手元のスマホに声をかけた。
「オイ吟子、聞こえるか！」
『伍代？！あのね、いま兄ちゃんが！』
「ああ、全部聞いてた。俺らも今からそっち向かうから、騒ぎに紛れて難破逃がせ！」
『分かったよ……だから早く来て！』
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
