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それから2時間弱。
怒涛のホラー展開と洋画特有のドギツいラブシーンを乗り切り、ヘロヘロになったわたしが力無く見つめる画面で、エンドロールが流れ始めた。
「もうひとりでトイレ行けない……」
「じゃあしばらくは帰れねえな」
「う」
完全に脱力しきって直樹くんに身体を預けていると、ニヤリと悪戯っぽく笑った彼がそんなことを言い出すもんだから。
この状態でひとり暮らしのアパートに戻ったらどうなるかなんて、想像するだけで恐ろしい。わたしは何も言い返せないまま、赤くなった顔をぐいと彼の肩に押し付けた。
「こんな時でもあちぃなお前ら」
恐怖で周りを気にしてる余裕すらなくて。「へえ〜」とニヤニヤした難破くんと目が合ってから気づいてももう遅い。夏のホラーといえば怖いもの見て肝を冷そうってのが醍醐味なのに、見る前以上に熱くなってどうするの。
慌てて直樹くんから離れようとするけど、肩をがっちり掴まれて身動きひとつとれない。え。どうしよ。やば。
「別にいいだろ、何も減るもんじゃねえし」
こっちは恥ずかしくて気が気でないっていうのに直樹くんはいつもと変わらない様子で、けろっとして言ってのけた。でもね、君にとってはそうかもしれないけどわたしは違うから。全然減るもんだから。神経とか色々と擦り減らしてるから！
「にしてもこうやって見てるとほんとお似合いだよなお前ら」
そこで、ホラーにビビって青い顔をしながらぱちりと電気をつけた大丸くんが言った。その横で、難破くんも「確かに」と頷いている。
「全体的にシュッとしてて絵になるわ」
「いつも思うけどお前のそれ何なんだよ」
「姉御は黙ってればクールビューティだしな」
「黙ってなかったら何だっていうんですか」
まぁ口開けばネガティブ発言ばっかだし、そもそも滅多に口開かない陰キャなのは重々理解してますけど。改まって言われると刺さるんですよ。心に。
むっとして頬を膨らますわたしの横で、小さく笑う直樹くん。ほら、わたしなんてちょっとしたことで動揺してばっかりなのに、彼はいつも動じなくて、余裕そうに言うのだ。
「あんま妬むなよ」
掴んだ肩を引き、まるで甘えるように擦り寄られてはもう限界で。ぼっと顔を真っ赤にさせると、難破くんと大丸くんは「やってらんねーよ」とばかりにため息を吐いた。
「はァ？！なんだアイツ腹立つわ！」
「牽制のつもりかよ！見せつけやがって！！」
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リュウ - 続編楽しみに待ってます!! (12月19日 11時) (
レス) @page33 id: 6792b0e39f (このIDを非表示/違反報告)
mie - 本当に面白かったです！毎日更新を楽しみに、わくわくしながら最後まで読ませて頂きました！続編も楽しみにしています！応援しています◎ (12月19日 1時) (レス) @page33 id: b7654c3b50 (このIDを非表示/違反報告)
わーい(プロフ) - 初めまして、いつも素敵なお話をありがとうございます！そして続編…とても楽しみにしていた作品なのですごく嬉しいです！無理せずお身体に気をつけてくださいね(><) (12月18日 13時) (レス) id: 5c007e6399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年12月4日 9時
