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それから必要なものを買い終えて、最後のお店を出る頃には辺りは真っ暗になっていた。それでも元気いっぱいな大丸くんが、ルンルンとスキップしながら先を行く。
「んじゃ、ボウリングでも行こうぜェ〜！」
「いいねえ」
「なんか久しぶりです、ボウリング」
ふあ、と欠伸が漏れそうになるのをくっと堪える。眠いのは山々だけど、これから友達でボウリング行くっていうのに寝てなんていられない。それに、難破くんには返さなきゃならない借りがあるから。いちばん言われたくないこと言われてコケにされたお礼はしないとね。
……でも、押し殺した眠気に直樹くんが気づかないはずもなく。ぽやぽやとした意識のまま歩いていると、ぽんと頭に手が乗って、優しい手つきで撫でられる。
「眠ぃなら先帰っていいんだぜ。送ってく」
「いやです。わたしもボウリングします」
「変なとこ頑固だよなお前」
「ならいいけど」と呟いて、はぁとため息。
直樹くんはいつも人のこと「お人好し」だとか「頑固」だとか言うけど、そのセリフ、そっくりそのままお返ししますよ。彼は人一倍頑固だし、こう見えていつも、わたしたちが気づかないような細かいところまで気を配るのだ。
……今もほら。
「それより大丈夫なのかよ。難破明日早えんだろ」
「まぁ、1ゲームくらいいけるだろ」
「大丈夫だよな！」
……確かに、明日から修学旅行で早起きしなきゃいけないっていうのに夜更かしなんかして大丈夫なんだろうか。
それでも難破くんは、そんなもの杞憂だとでも言わんばかりに笑い飛ばした。心配ではあるけれど、まぁ彼が言うなら大丈夫なんだろう。
「…………んで、今回もぉ、あの、お金貸してくださいっ」
「俺もコレ買っちまったからよ」
「ボウリングくらいてめえで払えや」
相変わらず図々しい大丸くんが悪びれもせず両手を合わせ、難破くんが両手に提げた紙袋をひらひらと振ってみせた。直樹くんは面倒くさそうに舌打ちするけれど、結局払ってあげる優しい人だってわたしは知ってる。
だけどわたしは、そんな彼に頼りたくなるのを抑えて、バレないように財布を確認した。下ろしたばかりのお金がそれなりに入っていてほっとする。どれだけ仲のいい友達でも『親しき仲にも礼儀あり』主義だ。毎度毎度払ってもらうわけにはいかない。
…………と、その時。
「………………水野？」
「……？」
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リュウ - 毎日更新ありがとうございます。毎日チェックしてます！これからも更新お願いします！ (11月28日 2時) (
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月26日 11時
