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(賞金……か)
わたしの家は貧乏って訳ではないけど、裕福とはとても言えない。
痛い思いをせず10万円も稼げるなら願ってもない話だ。それに、昨日見た喧嘩のこと。それは彼らにとっての立派な情報になるんじゃないか。話せば10万円のチャンス。でもそんなことしていいものか、という罪悪感が邪魔をする。
(……あ、そういえば)
そこでふと、最初に伍代くんと一緒にいた学ランの人は何だったんだろう、という思考が過る。確か茂みに消えたかと思うと、そこから金髪のヤンキーが現れたんだっけ。それからその学ランが出てくるような感じはしなかったし。……もしかして同一人物?
「おー?女の子ジャーン」
「!」
もんもんと考えながらふたりの後ろを歩いていると、前の方から陽気な声がした。
「1年生?みんな可愛いねェ」
「なぁ、これから俺らと飲み行かね?」
顔を上げると、厳つい服装とチャラチャラしたアクセサリーやら時計やらに身を包んだ、“如何にも”って感じの男の人が5人ほど、わたしらの行く先を拒むように立っていた。
背格好や口ぶりからするに、この人たちも市松の先輩。いきなり絡まれたことで、トウコさんとアカリさんは困ったように顔を見合せた。
彼女らは生粋の面食いだ。
こんな陰キャのわたしが言うのもなんだけど、今しがた絡んできた先輩たちはお世辞にもカッコイイとは言えない。だから葛藤しているんだろう。断りたいけど、自分たちより遥かに強い相手に歯向かう勇気がないと、ヒソヒソと額を寄せて何かを喋っている。
自分より下の相手は容赦なくこき使うのに、強い人相手にはこれだよ。嫌んなるね。
……と、思ったら。
「この子は?!」
「え?」
ぐるんっ、と勢いよく振り向くトウコさん。その顔には今までに見た事ないくらいの笑顔が浮かんでいて、思わず一歩後退る。しかし、両腕をガシッとふたりに掴まれているおかげで、逃げられない。
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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました! (11月3日 2時) (レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2023年11月1日 15時