帰らせて下さい、切実に。【ナンバMG5】 (ページ9)

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翌日。学校へ行くと、「遅ぇよ！」というトウコさんの怒号と共に、わたしの下僕生活が幕を開ける。昨日は可愛いわんこと触れ合ってちょっと癒されたのにな。とほほ。

ちなみに、あの時(・・・)伍代くんがぶん殴ったタンクトップのボスは2年の先輩らしい。そして、「特服を潰せ」という先輩からの命令を無視して共闘したことで、そのうち然るべき処分が下されるとか何とかって、風の噂で聞いた。

……そして。

(うっっっわ)

ケラケラと楽しそうに笑いながら昨日の合コン(晩御飯会)の話をしてるふたりから少し離れて待機中のわたし。壁にとんでもない貼り紙を見つけて凍りついた。

そこには『この人探してます』とでかでかと書かれた見出しの下に、似顔絵とその人の特徴が記されている。
身長は170くらいで髪型は金髪のツンツン頭、白の特攻服にマスク…。見るに堪えないド下手な似顔絵だったけど、その人物にわたしはすぐにピンと来た。

(めっちゃ知ってる……！！！！)

ざっと顔が青ざめていくのがわかる。金髪に白の特攻服着たヤンキー……きっと昨日のあの人だ。あの時ボコボコにされた先輩たちが更に上の先輩にチクって、金髪を探して情報を募り始めたのだ。

それだけでもやばいのに、極めつけは、情報をくれた人には謝礼として賞金10万円が贈呈されるとか何とか。いやヤンキーの世界怖すぎィ！

「オイ姉崎、何やってんだよ早く来い」

「は、はい！」

名前を呼ばれてハッとする。見ると、ウンザリしたような目をしたアカリさんがわたしに向かって鞄を突き出していた。そんな傍らで「んっとにトロいなお前は」とトウコさんがいつもの悪態をつく。

わたしは貼り紙に後ろ髪引かれつつも鞄を受け取り、ふたりに続いた。

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