帰らせて下さい、切実に。【ナンバMG5】 (ページ5)

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「やーん、可愛い〜」

とりあえず近所のコンビニに走って、犬でも食べられそうな魚肉ソーセージを買ってきた。小さくちぎって手渡すと、柴犬はそれはそれは嬉しそうにがっついて、その食べっぷりに頬が緩んだ。

「お腹すいてたんだねぇ、いっぱい食べな」

がつがつとソーセージを貪る姿に、どうやらここ何食も食べてないらしいと悟る。だったら5本セットの買ってよかったかも。まだまだあるからたくさんおたべ。

「ワン！」

「どういたしまして。お利口だね〜」

あっという間に5本全部食べきって、嬉しそうに擦り寄ってくるのが可愛くって。他所の犬だってことをすっかり忘れてしまいそうになるくらい、わたしはその柴犬にメロメロになっていた。

ここで陰キャあるある。人とはまともに会話できないくせに動物とは話せる(勘違い)。なんか、素直な動物と接してると綺麗な心でいられるんだよね。ここ数年間で溜まりに溜まったストレスが浄化されていくようです。

と、いうわけで。とりあえずわたしはこの子の飼い主を探すことにした。

犬にわかるはずないよな、と思いながら「おうちどこ？」とダメ元で聞いてみると、なんと柴犬ちゃん、わたしを導くように来た道を引き返していく。

もしかしてこの子とんでもない天才犬だったりする？

「そっちにおうちがあるの？」

「ワン！」

「ほ、ほんとに？！」

「ワォ〜ン！」

なんかわたし…この子と通じあってる気がする！(気の所為)

着いてこい、とでも言いたげに振り返るので、わたしは柴犬ちゃんの後ろを慌てて追いかけた。

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