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まぁそうなるよね。でも本当、友達もいないくせに一丁前に恋愛とか烏滸がましいって話だよ。
「吟子ちゃんはいないの？彼氏とか、好きな人とか」
「いな〜い。ホラ、兄ちゃんが有名人だからさ、あんま男子に声掛けられたりしないんだよね」
そっか。そういや猛さん、関東制覇だっけ。しかも吟子ちゃんヤンキーだし、声掛けづらいのは納得かも。わたしだったら絶対に関わらないもん。
「じゃあさ、お兄ちゃんと付き合うつもりない？」
「な、ない……かな」
「だめかぁ〜。お兄ちゃんと結婚してくれたらゴーリテキに姉さんって呼べたのに」
「？！」
ぶぶぶのぶー。にやにや笑いながら吟子ちゃんはほっぺを膨らませた。そんな顔も可愛くて絵になるなぁ……じゃなくて。恋バナで結婚、ケッコン。わたしにとっては縁もゆかりも無い話すぎて、眠気も吹き飛んだ。そんな所まで考えてるんだね吟子ちゃん。若いのにすごい。
「てか姉さん、どこでお兄ちゃんと仲良くなったの？」
「え……っと」
気まぐれでマイペースな吟子ちゃんから飛び出す話題はコロコロ変わる。たった今まで恋バナしてたよねわたしたち。この場にそういう話に向いてる人ひとりもいないけど。
……えっと、難破くんとの出会い、か。少し考えてみる。初めて会ったきっかけは、記憶に新しいあの出来事。迷子の松を追いかけて喧嘩を目撃しちゃって…ってやつ。
でも、素直にそれを言ったら、難破くんが学校では普通の男子高校生してることがバレてしまう。
「学校で知り合ったの。その、クラスが同じで」
「へえ！」
こうして難破くん家に遊びに来て分かった。きっと難破くんは、家族みんなをガッカリさせたくないんだろう。ヤンキー一家に生まれて、不良の道を歩んで育った。家族みんなが、兄の猛さんをも超えるヤンキーになることを期待した。みんな良い人たちだから、そんな良い人からの期待を裏切りたくないんだ。
それでも憧れは消えなくて、嘘をつかなければならなくなった。
いつかバレてしまうとしても、その時まではその嘘を隠し通すと決めたんだろう。なら、第三者のわたしが容易にバラしていい話じゃない。
「これからもお兄ちゃんと仲良くしてあげてね！」
この人たちは難破くんが大好きだから。わたしも、そんな秘密を守る手伝いがしたいと思った。そして叶うなら、この先も友達でいたい。
「うん！」
吟子ちゃんの言葉に、わたしは大きく頷いた。
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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました！ (11月3日 2時) (
レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2023年11月1日 15時
