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怒涛の夕食タイムを終え、洗い物を手伝おうとしたら全力で拒否られた挙句、「姉さん一緒にお菓子食べよ!」と吟子ちゃんに引き摺られたわたしは抗えぬまま、食後のデザートにドーナツを頬張っていた。

そこで、ソファーに横になってダラダラとテレビを見ていた難破くんが口を開く。




「そういやよ、お前らの父ちゃんと母ちゃんって何やってんだよ」

「親父はガキの頃に離婚してっから何してるか分かんねえ」

(うーん…………重い)




当の本人はけろっとして言うから特に気まづいとかはないんだろうし、離婚してる家庭があるのは決して珍しくないけど、聞いてるこっちがなんか居たたまれなくなる。現にまた空気が重たくなって、咀嚼したドーナツが上手く喉を通らない。まぁ一緒になって散々空気凍らせたわたしが言えた試しじゃないけど。




「お袋は……」

「?」




話しぶりからするに、両親が離婚したあと、伍代くんはお母さんと一緒に暮らすことになったんだろう。だけどさっきの話によれば、彼は今ほぼ一人暮らし状態らしいし。

仕事が忙しいのかな、なんて思っていると、伍代くんはおもむろにテレビを指さした。




『本日は、料理研究家の伍代里美さんにお越しいただきました』




流れていたのは料理番組。軽快な音楽と共に、司会の人が、ゲストの料理研究家の女性を紹介する。その苗字は伍代。伍代……。

………………え?!




「はァ?!こッ、この人めっちゃテレビ出てるだろ?!」

「わ、わたしこの人の料理番組見て料理勉強したし……」

「マジで伍代里美が母ちゃんなの?!」

「ええええ?!そうなの?!」




確かに、『伍代』なんて苗字そこらにゴロゴロいるようなもんじゃないし。びっくりしたみんなに詰め寄られて、伍代くんは相変わらずクールに頷いた。いや、結構な騒動になってるんですけど。




「じゃあ家ではさぞかし美味いメシ食ってんだ?」

「……忙しいとかで全然会ってねえし、手料理の味なんて忘れちまったよ」

「「「「「「………………」」」」」」




いやだからさ……。伍代くんいい加減にして?







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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました! (11月3日 2時) (レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ。 | 作成日時:2023年11月1日 15時

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