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見かけは普通の男子高生だけど、言動のところどころにヤンキーの片鱗が垣間見えて怖い。おかげでアップルティーを飲む手が震えて口元がずぶ濡れになってしまった。もう飲むのはやめようと、仕方なくペットボトルのキャップを閉める。




「つか伍代お前、やっぱその腕……」

「ちょっとヒビ入っただけだ」




“ちょっとヒビ入った”処置じゃないと思いますけどねわたしは。
ガッツリ折れてる感じのギブスの巻き方じゃん。とは言わなかった。本人が大丈夫って言うならまぁ大丈夫なんだろうから。




「2年の……あの、なんつったっけ……。タンクトップ着てた奴。ぶっ飛ばした件は大丈夫なのか」

「関係ねえだろ。ほっとけ」

「あ〜っそ」





伍代くん、誰に対してもこんな感じなのかな。昨日のふたりは、少なくとも男同士の絆みたいなのが生まれてたようにも見えたけど。

ふらっと歩いていった難破くんは、向こうの柵から見える川を眺めている。そんな後ろ姿をぼーっと見つめていると、コーヒーを啜った伍代くんが言った。




「てめえこそなんで白百合なんか。そんだけ強けりゃ兄貴みたいに関東制覇も……」

「それこそお前には関係ねえ」




伍代くんの言葉を、難破くんはきっぱりと斬り捨てる。わたしは不良について全く詳しくないけど、彼のお兄さんは有名な不良だったんだろうか。

伍代くんの口から関東制覇って恐ろしいワードが聞こえた気がしたけど、もしかして難破兄って関東を制覇したトップオブ不良?やば。こわ。……だったら尚更、彼は昔から不良のお兄さんと育ったはず。あれだけ喧嘩もできるんだし、お兄さんと同じ道を辿ってもおかしくないっていうか、そっちの方が自然だと思う。

もしかして地雷だったのかな。だとしたら機嫌損ねちゃったかも!とわたしが内心焦っていると、そんな焦りとは裏腹に、難破くんは明るい表情で振り返った。




「……って言いてえところだけど、その腕に免じて教えてやるよ。姉崎も。松を助けてくれた礼だ」

「は、はぁ…………?」





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みお(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました! (11月3日 2時) (レス) @page39 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まめこ。 | 作成日時:2023年11月1日 15時

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