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それから数日後。
東京都立呪術高専では、今日も元気に(?)特訓が続いていた。


「うわァァァァアアアアアッッ!!」


グラウンドに響きわたる叫び声。更衣室まで聞こえてきたその声に呆れながら、伏黒はグラウンドに続く階段を降りた。


「もう嫌や、ほんまにやめてって痛ァァアア!」


耳を劈くようなその叫び声の主はもちろんA。
思い切り投げられて頭から地面に突っ込み、だばあっと大量の涙を零した。Aを投げ飛ばした後、今度は野薔薇に狙いを定めたパンダは、彼女の方へ一目散に走っていく。


「蕨美先輩の声、ほんとよく響きますね」

「ん。おっせえよ恵」

「こんぶ」


そんな様子を見ていた真希と棘。
あまりにも白々しい態度に「あんたらあの人の幼馴染と彼氏だよな……?」とボヤいた。ここはサファリパークかと聞きたくなるほどの騒がしさに少しは気分が晴れたのか、いつも通りの表情でグラウンドに出てきた伏黒は、例の特級呪霊の件で死んだ人の母親に会いに行っていた所だ。

ぐちゃぐちゃで死体こそは持ち帰れなかったが、その死体の服に付いていたネームタグを持っていくと、その人はその場に泣き崩れたのを思い出す。


「禪院先輩は呪術師としてどんな人を助けたいですか」


そんな状態になってでもその死体を持ち帰ろうとした虎杖の姿が浮かんで、伏黒は少し沈んだ声で真希に問いかけた。


「あ?別に私のおかげで誰が助かろうと知ったこっちゃねえ」

「聞かなきゃ良かった」

「あぁ?!」

「伏黒ォォオオオ!!」
「伏黒くうううん!!」


ヘッとそっぽを向いた伏黒に、真希が怒鳴る。
そんな伏黒に、更なる怒号が飛んだ。


「面接対策みたいな質疑応答してんじゃねえよ!
もう学ランはしんどい!可愛いジャージを買いに行かせろ!」

「はよ交代してえええ!なんで私までこんな目に遭わなあかんねん、1年生の特訓言うとったやろボケェぇええええええ!」

「まだまだ行くぞ〜!」

「「ぎゃアアアアアアッッッ!!」」


2人まとめて投げられたAと野薔薇は、仲良く地面にぼとりと落ちた。


「あの人らは何してるんですか」

「受け身の練習!お前らは近接弱っちいからな!」


戦闘スタイル上、Aは近接にあまり強くはない。
それで蕨美先輩も一緒に投げられてるのか、と謎に納得した。その横で真希が呪具を振る。


「まずは私らから1本取れ。話はそれからた」









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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時

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