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｢
｢ええ。蕨美先輩が
呪力がなくともAは戦える。陰陽術だけではない、これでも幼少期から剣道を嗜んでいる身なもので、腰に構えた仕込み杖を使えば近接相手でも余裕だ。
…………然し、そんなAでさえ勝てないとなると、虎杖は中々の凄腕。1級術師の東堂と殴りあった伏黒が言うのだから、その信憑性は高い。
｢面白ぇ｣
呪力なしで戦えるのはAだけでない。
武器の使い方なら高専イチである真希も、きっぱりと言い切る伏黒の言葉にニイと口角を上げた。
｢東堂は確実に直で私たちを潰しに来る。真依も私狙いで便乗してくるかもな｣
｢東堂って人、あの人バケモンやで。全員で相手して全滅ってのも充分有り得る｣
｢ああ、その通り。だから足止めとしてパンダか伏黒かAを置いていくつもりだったが……｣
｢え｣
なんて恐ろしいことを……とガタガタ震え出すAを横目に、真希は虎杖を指さす。
｢虎杖、お前に任せる｣
｢俺？｣
｢索敵するやつ減らしたくねえし｣
勝つことが出来なくてもなるべく時間を潰す事。
きっとAたちじゃ東堂相手に勝つなんてまず不可能だろう。それに虎杖は飛び入り参加の新メンバー。
リタイアした所で作戦には何の問題もない。
｢虎杖くんありがとう｣
｢え、俺まだやるなんて…………｣
｢ありがとう｣
｢お、おう…………｣
よっぽど東堂とやり合うのが嫌だったのだろう。
にこやかな笑顔の裏に隠れたとんでもない圧力を感じた虎杖は、何も言い返さずに頷いた。
｢…………でも先輩。やるからには、勝つよ俺。｣
そう意気込んで。
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年2月12日 12時
