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一方、きゃっきゃっと会話を弾ませるA達を眺めていた野薔薇は、ほうと小さく溜め息を吐いた。
「人の術式をペラペラと…………」
「いいんだよ、棘のはそういう次元じゃねえから。
…………………………んなことより悠仁」
アンタらねえ、と呆れ顔な野薔薇の横を通り過ぎ、真希は何かを求めるように、虎杖の方に手を差し出す。
「
悟に借りたろ、と。
その一言で虎杖はざっと顔を青ざめさせた。
初任務の際に五条が使えと渡してきた呪具、屠坐魔。
元々高専にあったものだと思っていたが、それは真希の私物だった。要するに又貸しというやつである。
その任務で屠坐魔を盛大に壊している虎杖は、これを言ったら殺される、と何故か死期を悟っていた。
「五条先生ガ……持ッテルヨ………………」
「ッチ、あのバカ目隠し」
何も伝えてくれなかった五条も五条で悪いんだし、死にたくないから勝手に罪をなすりつけさせて貰うことにした。冷や汗たらたらで青白い顔をする虎杖に、「しんどいん?」とAが呑気に首を傾げる。
しかしこんな呑気な会話をしている暇はない。
虎杖が入ったことで、一気に計画にズレが出てくるようになってしまった。
「で、どうするよ。団体戦形式はまあ予想通りとして、メンバーが増えちまった」
「ほんなら作戦変更する?」
「おかか」
「そりゃ悠仁次第だろ。何が出来るんだ?」
「殴る蹴る」
「物騒!おっかない!あかんわこの子!」
「そういうの間に合ってんだよなぁ」
ぐっと拳を構える虎杖に、それを見たAが涙を散らして発狂し、パンダが「要らね」とでも言いたげに呟く。が、伏黒はそうでもないぞというような目をしている。
「コイツが死んでる間何してたかは知りませんが、東京校京都校全員が
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時