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「………………オイ、来たぞ」
ぎゃんぎゃん喚き散らすAと野薔薇にため息をつく真希。そんな彼女は、ふと何かを見つけ、そう言った。視線の先には6つの人影。
「あらお出迎え?気色悪い」
「乙骨いねえじゃん」
そこには、真依や東堂を初めとした京都校の面々が勢揃いしていた。普段なら早速人見知りを発動して凍りつくのだが、今のAはそうではないようで。せっかく計画を立てていた京都観光ができないという不満を滲ませる。
「うるせえ。早く菓子折り出せコラ。八つ橋、葛切り、そばぼうろ」
「わらび餅、餡蜜、いちご大福」
「しゃけしゃけ」
「腹減ってんのか?」
むすっと頬を膨らますAと、同じく不機嫌全開の野薔薇、それに便乗する棘の催促に東堂が首を傾げた。
「怖」
「乙骨が居ないのはいいとしテ、1年2人はハンデが過ぎないカ?」
「呪術師に歳は関係ないよ。特に伏黒くんは禪院家の血筋だが、宗家より余程できが良い」
続けて姿を現した、同じく京都校の西宮桃、究極メカ丸、加茂憲紀。淡々と告げられた加茂の言葉に、真依が不服そうに舌打ちをした。
A達だけでなく、京都校もこちらにバチバチの敵意を示している。一触即発とも言えるこの状況。
本気になれば取っ組み合いにもなりそうなのだが、そこへ、パンパンと手を叩く音が響いた。
「はーい、内輪で喧嘩しない。全くこの子らは」
白の着物に赤い袴姿で登場したのは京都校の引率の教師、庵歌姫。心底呆れ返ったような歌姫は、「で?」と辺りを見渡した。
「あのバカは?」
「悟は遅刻だ」
「バカが時間通り来るわけねえだろ」
(誰もバカが五条せんせとは言うてへんねんけど…)
呑気で幼くて、文字通りバカっぽい五条の笑顔が脳裏を過る。しかしそんな裏にはとんでもない殺意を隠し持っていて、Aはどうにも彼が苦手だった。来てないのは教師的にアレかもやけど私はおらん方が嬉しい………と思ったAだったが、
「おまたーっ!」
「ひいッ?!」
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年2月12日 12時