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───────ドン、ドンドンッッ!!!
「クソ!呪具落とした!出せゴラァ!!!」
in 呪霊の胃の中。
飲み込まれる前に呪具を落としてしまったらしい真希がガンガンと壁(?)を蹴りつける音に目を覚ました憂太は慌てて飛び起きると、きょろきょろと辺りを見渡した。
「こ、ここは?」
「…………あの呪霊の腹ン中だよ。こんくらいで気絶してんじゃねー」
「腹の中……ってことは─────」
「うわぁぁあん、食べられたぁぁあああ!!」
「わッ!……らびさん、」
背後からいきなり聞こえた爆音に思わず飛び退く。
その爆音の正体はAの泣き声で、彼女は綺麗な顔を涙でぐちゃぐちゃにして泣き喚いていた。見た感じAに怪我はなさそうだが、真希は右足の太腿に切り傷ができている。飲み込まれた時あたりで擦ったのだろう。その傷口を見て更に「真希死なんといてえええ!」と叫ぶAの頭をガツンと殴り、「私はこの程度じゃ死なねえよ!」と怒鳴る真希は今、MAXで機嫌が悪い。
「ぎゃんぎゃん響いて鬱陶しいんだよ黙れ!
つうかてめぇ呪いに守られてんじゃねーのかよ!」
「里香ちゃんがいつ出てくるかは、僕もよく分からないんだ。それより、どうするの?」
「時間が来て帳が上がれば助けが来る。恥だ、クソ!」
煩いAの口にガムテープを貼り付け、ケッと吐き捨てる真希は助けられる事が大嫌い。それは彼女の生い立ちを聞けば何となく理解できるのだが、今の憂太には到底分かるまい。
─────しかし、そんな声を誰かが遮った。
「助けて…………」
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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年3月4日 15時