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そう言った五条の姿は、あっという間に帳の向こうへ消えていく。『死』というワードに肩を揺らした憂太が呼び止めようとするも、もう五条の姿は見えなくなっていた。
｢転校生、よそ見してんじゃねえよ｣
｢！｣
真希の言葉に我に返ると、いつの間にか目の前には数体の呪霊がいた。その呪霊は縦長で、身体の前には縫い目のようなものがある。その不気味な双眸に、Aはガクガクと足を震わせた。
────は……い………る……、は…い……る？
呪霊が縫い目をブチブチと引きちぎると、そこから口が開き、並んだ歯の間からでろんと舌が垂れ下がる。
｢うぁぁあああ開いたぁああッッ｣とAが思わず悲鳴をあげると同時、呪霊は勢いよく地面を蹴って駆け出した。
｢こっちに来る！どどどどどうしよう！｣
｢は、入るかボケぇえええ！！！｣
｢喚くな。覚えとけ、呪霊ってのはな───｣
憂太は怯えながらも身構えるが、それよりも早く女子2人が動いていた。
真希が呪具を振り下ろす傍らで、小鬼がその鋭い爪で呪霊を一刀両断にする。瞬きをするうちに祓われた呪霊の身体がパラパラと塵になっていくのを、憂太は呆然と見ていた。
｢弱い奴ほどよく群れる。まあそりゃ、人間と同じか｣
たった一振りで呪霊2体を祓った真希の呪具捌きと、Aが顕現した不気味な生き物の強さに｢すごい…｣と素直に声を漏らす憂太だが、呑気に感嘆している暇はない。気がつけば、真希は泣き喚くAの首根っこを掴んで歩き出していた。
｢無ゥ理ィイ！やっぱり行きたくないいいいッ｣
｢とっとと歩けクソガキ！……オイ、お前も行くぞ｣
｢えっ、どこに？！｣
Aは全力で抵抗しているつもりなのだろうが、憂太から見れば真希が一方的にAを引き摺っているようにしか見えない。
2人は幼馴染なんだよな…？と不思議に思った憂太が尋ねると、真希が｢何言ってんだお前｣というように振り向いた。
｢
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年3月4日 15時
