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────グギギギ、ッ


ぽこんっ、とマグカップから飛び出した呪霊がAの方へと飛びかかる。その小さな体を一刀両断にしたAはその勢いを絶やさず、真横にいた呪霊にもその刃を振り下ろした。


───────ビチャッ!


呪霊から噴き出す体液が頬で弾けるがお構いなしに、食堂の真ん中へと躍り出た。そこでAを捕らえようと待ち構えていた呪霊がいるが、Aの武器は仕込み杖だけではないことをお忘れなく。


「『小鬼』!」


Aを囲むように現れた3体の小鬼。
今のAの実力じゃ、顕現できる式神は小鬼と九尾のみ。しかも九尾は小狐の姿でしか顕現できない。それでも、今は目の前の敵を倒すことだけに集中しなければ。


『ぐぎゅう』


振り上げられた鋭い爪は呪霊の腕に突き刺さり、ガリガリと傷跡を残した。更に呪霊からの攻撃は破邪の法で防ぎ、確実に数を減らしていく。この調子で頑張ればあと少しでやれるだろうと確信した。


……………………が、


───────バチン!


「!」


突然小鬼たちの身体が弾け飛んだかと思うと、メリメリと天井が軋みはじめた。


「え、何………………?」


15体のうち10体は祓い終えた。
後はラストスパート…………だったというのに。


───────ベキベキベキイィィッッ!


刹那、天井に走った亀裂が広がり、上から何かが落ちてきた。確か3階の上は天井裏になっていた筈。果たしてその狭い空間に住んでいたのかと疑う程、大きな影が目の前で揺らめいた。


────キエエエエエエエッ!!!!


大きな体に6本の足。そしてその足のどれもが太くて、呆然と立ち尽くすAに向けて振り上げられた。









═ ═ ═ ═ ═

今更ですが、このAちゃんの階級は3級です。
使える式神は作中にもある通り、小鬼と九尾(小狐)のみです。呪力を流して式神を操るのは至難の業らしく、苦戦してるみたいです。

本編では準1級なのでややこしいですね。
じゃあ何で番外編のタイトルで準2って書いたんでしょうね。まあそれは後々分かる……と思います。作者の語彙力と表現力が間に合えば。

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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年3月4日 15時

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