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家入の所へ行って消毒をしてもらい、絆創膏を貼り終わる頃には、Aはいつもの機嫌を取り戻していた。


「わざわざごめんね。ありがとう」

「しゃけしゃけ」


気にするなよとでも言いたげに笑う棘。その態度に、彼はつくづく優しい人だなあと実感した。
若干足を引き摺り気味に歩いているとまた自分の背中を示すから、さすがにこれ以上は頼まれへんよと眉を下げる。


「明太子〜」

「おー、おかえり」


教室の扉を開けると、中には退屈そうにスマホをいじるパンダがいた。あの手はスマホ対応なのだろうか。


「あれ、Aその足どした」

「ツナマヨ」

「ナルホドそれで花壇行ってもいなかった訳だ。納得」

「しゃけしゃけ」


代わりに水やっといたぞ、というパンダの言葉にハッとする。確か棘はジョウロを持って花壇に来ていた。
間違いなくこれから水やりをするつもりだったのだろう。それなのにAを医務室まで連れていってくれた。何だか申し訳ないような嬉しいような、そんな不思議な気持ちになった。

ところで、先程から真希がいない。
どこへ行ったんだろうとAがキョロキョロしていると、その意図を何となく察したパンダが口を開いた。


「真希なら任務でいないぞ。だいぶ前に出かけたからもうじき帰ってくるんじゃないか?」

「そ、そっか……………」


あれ(・・)から、Aは真希とあそこまで真剣な話をしていない。真希のAに対する態度もいつも通りで、この前も特訓で肘を擦りむいて泣いた時も鳩尾あたりを思いきり蹴りあげられたのを思い出す。

それなのにあの日の真希の言葉は鮮明に覚えていて、ふとした時にフラッシュバックしてくるのだ。









第2章 : 呪術師は命懸け→←□□□



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作者名:まめこ。 | 作成日時:2021年3月4日 15時

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