【番外編】準2級なんて称号を与えられたけどやっぱ呪術師は怖いです。【呪術廻戦】 (ページ14)

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それから1ヶ月と少し経ち、喋るパンダや語彙が謎なクラスメイトにも慣れてきたAは、花壇の前に座り込んでいた。あの日、棘と初めて話した場所だ。

｢う、っ…………｣

そしてAは泣いている。
………………敢えてもう一度言おう。泣いている。

｢うぐ、ぐすっ………………｣

ぼろぼろと涙を零しながらAはスカートを捲り、履いていたハイソックスに恐る恐る手をかけた。ゆっくりとハイソックスを下ろしていくと、徐々に膝が顕になってくる。

｢ぴッ…………！｣

ほんのりピンクがかった膝小僧は擦りむけて、薄らと滲んだ血が白い肌をつーっと伝った。その血を目の当たりにし、思わず変な声が零れる。

｢い、ったぁぁあ………っ｣

事の発端は少し前。任務終わりに花でも見て癒されようと花壇にやってくる道中、何も無いところで躓き、盛大に転んでしまったのだ。咄嗟に手をついたので顔は無事だが、滑り込むように地面に突っ込んだから膝を怪我してしまった。

｢うああああああっ、痛いよおおおっ…………｣

生々しい傷口を見た事で余計に痛みが増したのだろう。Aはとうとう声をあげて泣き出した。
生憎、傍には誰もいない。傷を洗って絆創膏を貼るにしても、水道まで歩いていくだけでも億劫だ。
こんな所でいつまでも泣いている訳にはいかない。
…………でも痛い。めちゃくちゃ痛い。
そんな2つの思いが交錯して、泣き喚くことしかできないAのもとへ、ふと足音が近づいてきた。

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