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｢げほ、っ……ごほッッ、………………あれ？｣
謎の液体から脱出し、やっとの思いで息ができたかと思えば、今度は意識が急にクリアになった。
｢大丈夫かい？随分と魘されてたみたいだけど｣
｢あ、れ…………乱歩くん……。ホームズも居る｣
どうやら夢を見ていたらしい。
身体を起こすと、Aは見慣れた寝室にいて、隣の布団で寝ていた乱歩が心配そうに眉を下げている。枕元を見れば、ホームズもいた。
｢ごめんなさい………………起こしちゃって｣
｢んーん、気にすることはないよ。｣
乱歩は浅い呼吸を繰り返すAの背中を優しく摩り、そっと肩を抱き寄せた。
｢怖い夢を見たんだね。でも大丈夫、僕がついてる｣
｢……………………ん｣
Aの異能は常時発動型。触れたものの心の中が意図せずとも分かってしまう。だから人と触れ合うのは避けてきた。……けれど今はそれどころじゃなくて。ただ頭を撫でてくれるその体温に縋ることしかできなかった。
｢乱歩くん｣
｢ん？｣
｢私、もううんざりなの。耐えられない｣
Aが数え切れない程の嘘や本音に触れ、その度に心を痛めてきたことは乱歩も知っている。
けれど、その心の傷の大きさまでは測りえなかった。
小さな心いっぱいを埋め尽くし、蝕む真っ黒い感情。
その所為でAは、素直で心の綺麗だった彼女を遠い過去に置いてきてしまった。白い頬を伝う雫を指で掬い、優しく抱きしめると、あやす様に云った。
｢A｣
｢………………なぁに｣
｢自分の心には、嘘をつかなくて良いんだよ｣
嘘に触れて穢れてしまったAの心。
そんな彼女が自分自身に嘘をつけば、その心の穢れは更に大きくなる。 ｢ 自分の本音を隠そうとしなくたっていいんだから。僕は何時だって聞いてあげるよ ｣ と云えば、Aは何も云わずに頷いた。
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らむ - 乱歩さんしかかたん。 (2021年11月3日 15時) (
レス) id: afa1133b59 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ。(プロフ) - 颯貴さん» ありがとうございますううう！評価にお気に入りまで…嬉しい限りでございます^^*更新頑張ります！！ (2021年2月15日 19時) (レス) id: 4740a5bcfa (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - やば、おもろいwww1番右の星押してお気に入りに入れときましたぜ！←更新待ってます！ (2021年2月15日 19時) (レス) id: b4b593bd0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめこ。
| 作成日時：2021年2月7日 20時
