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山田side
伊野尾ちゃん家に着いて家のチャイムを鳴らす。
でも、なかなか出てこない。
目が見えないとしてもおっそい。
ドアノブに手をかけてみると、鍵が開いていた。
無用心すぎかよ…！！
躊躇なく家に上がり、多分リビングにいるだろうとそっちに向かう。
閉まっていたドアを開けてみると、ビショビショの床にペタンと座り込む伊野尾ちゃんがいた。
「や、山田ぁ！？」
「え、伊野尾ちゃん、大丈夫！？何でこんな…」
「カップラーメン食べようとしたらさ、お湯こぼしまくっちゃって…へへ。」
へへ、じゃないよ！！
「手も足も真っ赤じゃん…！ほら、座ってて、冷やすから！」
伊野尾ちゃんを立たせてソファに座らせる。
「ごめんねぇ、山田…。」
しょんぼりしてこっちを見てる伊野尾ちゃんの目の焦点は合ってない。
やっぱ目見えねえんだなと思って。
保冷剤をガーゼで包んで伊野尾ちゃんの手と足に当てた。
「じんじんする…。」
「我慢して、伊野尾ちゃん、自分で押さえてられる？」
「うん…。」
棚から適当にタオルを出して、濡れた床を拭く。
「っていうか山田、何で来たの？何か用事？」
「はぁ…。心配して来てやったんだよ…。伊野尾ちゃん、ご飯食べるとこだったんでしょ？俺作るからさ、待ってて。」
「うん…本当何から何までやらせちゃってごめん。」
「いいよ、別に。」
伊野尾ちゃんは何も悪くないんだから、って心の中で呟く。
「あ、ねえ伊野尾ちゃん。カップラーメン俺食っていい？勿体無いし、伊野尾ちゃんには別の作るからさ。」
「いいよー、山田何も食ってこなかったの？」
「起きるの遅くて食欲湧かなかったんだけどさ、ここまで来たらお腹空き始めて。」
「そっか、何か今日お世話になってばっかりだなぁ…。」
お湯を沸かし直して、カップラーメンに注ぎながら聞く。
「圭人に病院連れてってもらったんだって？何で俺に頼まねぇんだよ〜。」
「だって昨日山田ベロンベロンに酔ってたじゃん！どうせ電話しても起きないでしょ？」
「なっ、お前さ、すぐそういうこと言うよね〜。」
ふふふ、なんて笑いながら伊野尾ちゃんと話す何気ない、俺からしたら当たり前な会話だけど。
伊野尾ちゃんにとっては、目が見えないってことで全然違うのかな…。
俺は、伊野尾ちゃんと話しながら、ご飯を作り始めた。
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芽乃雨(プロフ) - いずみん☆さん» そう言ってくださる方がいて嬉しいです…！更新頑張ります、ありがとうございます！ (2016年8月17日 11時) (
レス) id: 2df2febadf (このIDを非表示/違反報告)
いずみん☆(プロフ) - 続編、待ってました！更新、大変だと思いますが、頑張ってください！応援してますp(^-^)q (2016年8月17日 11時) (レス) id: 688e0300f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽乃雨 | 作成日時：2016年8月16日 21時
