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伊野尾side
1週間が経った。
毎日続けていたリハビリが功を奏して、安心して退院できるみたい。
「いのちゃーん！」
今日は大ちゃんが車で迎えに来てくれた。
病院の先生も、俺を送り出してくれた。
「…伊野尾さん、ほんとによく頑張りましたよ。」
「ずっと一緒にいましたから、知ってますよ。」
大ちゃんがニコッと笑う。
「でも、いのちゃんが頑張ったことは、いのちゃんが一番理解してると思います。」
真剣な目をして、呟く。
「…その通りです。…これからも、伊野尾さんの活躍に期待してますからね。」
優しい目と声をした先生に、ぺこりと頭を下げる。
辛いリハビリにも、ずっと付き添ってくれた。
「ほんとに、ありがとうございました。」
「いえいえ…これが、医者の仕事ですからね。」
「じゃあ、…いのちゃん、行こっか。」
荷物を持ってもらって、車まで誘導してもらう。
「あ、段差気をつけて。」
「う、うん。」
助手席に乗り込み、ドアを閉める。
大ちゃんが反対側にまわって、運転席に乗る。
「さてと…とりあえずいのちゃんち行こっか。荷物置きに。そのあと、俺っち来てよ。」
「んぇ？いいけど…なんで？」
「ちょっと、お願いがあるからさ。」
「そっか。」
車を発進させて、病院を出る。
お世話になったなぁ…この病院には。
「…ねぇいのちゃん。」
「なに？」
「もっとさ、誇ってよ。」
「え？」
前を見たまま、口だけ動かす大ちゃん。
赤信号で、止まる。
「リハビリ頑張ったって、自慢してもいいじゃん。すごいでしょって、言えばいいじゃん。」
「いや、別に俺はそんな…」
「ためらわないでよ。ここまで回復する例は珍しいんだってよ？」
「そ、なの…？」
「うん。つまりいのちゃんが頑張ったってことじゃん？」
「そ、そうかな…いや、でも照れるからいいよ。それに、俺より辛いリハビリを頑張ってる人だっているのに。」
「誰かと比べなくていいんだってば。自分ができるだけ頑張ればいいんだからさ。」
普段言わないような台詞に、クスッと笑う。
「なに笑ってんだよ〜」
「いや、大ちゃんかっこいいなと思って。」
「思ってねぇだろ、棒読みだぞ。」
また、笑いがこみ上げる。
続く (更新停止中)
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芽乃雨(プロフ) - いずみん☆さん» そう言ってくださる方がいて嬉しいです…！更新頑張ります、ありがとうございます！ (2016年8月17日 11時) (
レス) id: 2df2febadf (このIDを非表示/違反報告)
いずみん☆(プロフ) - 続編、待ってました！更新、大変だと思いますが、頑張ってください！応援してますp(^-^)q (2016年8月17日 11時) (レス) id: 688e0300f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽乃雨 | 作成日時：2016年8月16日 21時
