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薮side
何とかヒルナンデスが終わった。
あいつらは気づいてないだろうけど、表情が終始強張ってた。
そして、最初に光が言った言葉。
”絶対帰ってくる”
これは俺ら全員の、伊野尾に対する期待ではあるけれども、同時に伊野尾に変なプレッシャーを与えることにもなる。
そういえば伊野尾がずっと喋ってねえなと思い、ハッとして伊野尾に声をかけようとする。
けど、伊野尾の表情は冷たかった。
眼帯をつけててもわかるくらいに。
冷たいというより、無表情。
俺はどう声をかけてやったらいいかわからなくて、
「…リハビリ頑張ろうな」
とだけ言った。
しかし特に返事をしてくれるわけでもなく、沈黙が続く。
「…伊野、」
「ごめん、今日は帰って。 」
突然のことに動揺する。
でも、この表情を見て、俺はここに居続ける勇気がない。
「…わかった。またな。」
やっぱり、さっきの光の言葉が重く感じてしまったのだろうか。
でも、光が悪いわけじゃない。伊野尾も悪くない。
誰も悪くないんだ。
俺はこれ以上何かを言わない方がいいと思い、おとなしく病室から出た。
病院を出て駐車場に向かう途中、俺の知っている人が歩いてきた。
「あれ、薮ちゃん！？」
「おぉ、大ちゃんじゃん。」
「何でここに？お見舞い？」
「うん。大ちゃんも？」
「そーそー、帰り際にね、寄ってこうと思って。」
俺は少し複雑な気持ちになった。
今の伊野尾に大ちゃんを会わせてもいいのか。
…いや、こういう時こそ誰かがそばにいないと。
「なぁ大ちゃん。さっきな、伊野尾機嫌悪くしちゃってさ。…もしかしたら、強くいろいろ言われるかも。」
「機嫌悪く？なんで？」
「わかんねぇけど…多分さっきのヒルナンデスのことかな。いろいろ重荷に感じちゃったのかもな。」
「マジか…とりあえず行ってみる。ありがと薮ちゃん、じゃあね！」
「うん、またなー。」
駆け足で病院に入っていく大ちゃんを見送って、車に乗り込んだ。
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芽乃雨(プロフ) - いずみん☆さん» そう言ってくださる方がいて嬉しいです…！更新頑張ります、ありがとうございます！ (2016年8月17日 11時) (
レス) id: 2df2febadf (このIDを非表示/違反報告)
いずみん☆(プロフ) - 続編、待ってました！更新、大変だと思いますが、頑張ってください！応援してますp(^-^)q (2016年8月17日 11時) (レス) id: 688e0300f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽乃雨 | 作成日時：2016年8月16日 21時
