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花巻side
袋から取り出されたチョコを見て びっくりした。
赤の包装紙に、金色のリボン。
ビジュアルからして完全にこれは
バ レ ン タ イ ン 用 の チ ョ コ 。
これは、これは、、
"そういう意味"として受け取ってもいいのか。
そう考えると、見る見るうちに顔が熱くなっていった。
自分の顔、赤いんだろうな。
見なくてもわかる。
ずっと、ずっと好きだった豊嶋に、もし好意を抱かれてるとしたら…
そう考えると、勝手に上がる口角を、
元に戻すことなどできなかった。
「なあ俺、期待しちゃうんですけど。」
やっと言えた言葉がこれだった。
豊嶋は完全に ワケ分からんという顔をしていた。
「Aさ、これ。」
「ん?」
「バレンタイン用のチョコだべ?」
「…あ。」
「…期待しても、いいですか。」
「ちっ、違う!良くないし!
どんなに好きな物でもさ、
そりゃシュークリームばっかじゃ飽きると思ったから…。」
今度は豊嶋の顔が赤くなった。
「すげぇ好きで、飽きないよ。
Aのことは。」
「…なっ、」
「…、」
「は、花巻…。」
「ん?」
「私 頭おかしくなったのかな…。」
今にも消え入りそうな声。
豊嶋のこんな声を聞いたのは 初めてだ。
「なんか… わりと好き、かもしんない…。
花巻のコト…。」
聞き漏らすまいと耳を傾けたら、聞こえた豊嶋の言葉。
「え、じゃあ、その、」
叶わないものだと思っていた。
だから ゆっくり 慎重に。
「俺の、彼女になってくれますか、、」
色んな感情が混ざりあって、
自分の鼓動がうるさく思う中 そう聞くと、
「私で…よければ。」
と、少し笑った。
「A…好き。」
俺は本当に、頭ん中まで染まってるかもしれない。
FIN
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作者名:ぐれふる。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/1ce09e70fb1
作成日時:2017年1月27日 7時