【ハイキュー！！】I want you to remember me. 【無気力組】 (ページ10)

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Did you remember？…9 ページ10

こんなに悲しいなんて。

私はタッチパネル型デバイス所謂スマホを開いた。

日付も何一つ変わってないのに。お母さんも私をちゃんとA、と呼んでくれてる。私の感じた中では忘れていたのは赤葦君と孤爪君だ。

もしかしたら、月島君と国見君は……いや、同じに決まってる。希望を持ったら希望を失った時に辛い。

私は恐る恐るアドレス帳を開いた。

そしたら綺麗に私の知っている四人の連絡先はなくなっていたのだ。私は凄く身震いをした。何故こんなことが起こっている？四人にだけ忘れる。でも、私にとって四人とは数少ない大学の友達なのに……。

私は昨日着ていたパーカーのポケットを探ってあの透明な包装紙を見た。

なんの変哲も無かった。

人に忘れられるというのはこんなにも辛いことだったんだ。

丁度お母さんが「ご飯できたよ」と私の部屋をノックしてきたので私は自分の部屋からダイニングへと移動した。

お母さんの作ってくれた鯖味噌煮をお母さんとお父さんと私とで食べた。

お父さんもお母さんも私が大学生になっても家を出ないことには何も言わないでくれる。

とても気楽で嬉しい。

でも、やっぱり……

ーーそうだね

ーーまたね

ーー生きてて悔いがないよ

ーー美味しかった

あの声は忘れられない。

彼ら以外の人とは知り合いならあの人と、連絡は……

お風呂から上がった後、私は静かにアドレス帳を開いてその人に電話をかけた。

1コール

2コール

3コール

？？『お？明代じゃん？どうしたの？』

一つ携帯の向こうから無事に聞こえてきた声は一瞬で私を安心させた。

「木兎先輩っ！」