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第五話 M side ページ5

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間違いなんかじゃなかった。

俺の腕の中で意識を失ったその人は、ずっとずっと好きだった、手の届かないような存在だった君。

こんな形で再会出来るなんて思ってもみなかった。

透き通るほど白い肌に、くるんとカールを描いたまつ毛。
筋の通った鼻に形の良い唇。

あの頃と変わらず綺麗なままの君に胸が疼いたのと同時に、
ふつふつと湧き上がってくるどす黒い感情。

“俺だけのものにしたい”

そう思ってしまったからにはもうこの感情を抑える事は出来そうにない。

そっと彼を抱き上げ途中でタクシーを拾い、急いで自分の家へと連れて帰った。


濡れた服を脱がせ身体を拭き、クローゼットの中に仕舞い込んでたあの日以来の白いワイシャツを着せ、

彼の意識が戻るのをただひたすら待ち続けた。

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作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月16日 0時

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