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第二話 T side ページ2

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ネオンブルーに輝く海に一歩二歩、歩みを進めていく。

真冬の海ともあって、一瞬にして身体は爪先まで凍りついてゆく。


でもそれでも俺は歩みを止めなかった。

ただ無我夢中に、終わりの見えない海を歩き続けていた。





…………


…………



目が覚めた時に居た場所は、真ん中にベッドが一つ置かれただけの無機質な部屋。

ああ、神様はなんて残酷なんだろう。

あと少しのところで、どこの誰かもわからない人に偶然見つかり助けられてしまった。


こんなはずじゃなかったのに。


ぶるぶると震える身体にはいつの間にか毛布が掛けられていて、俺の事を助けてくれたお兄さんは、マグカップにココアを淹れて持ってきてくれた。


「すみません、俺なんかの為に。…ありがとうございます。」


そうお礼を言って、温かいココアに口をつける。


すると目の前のお兄さんは困ったように俺を見つめた。



『俺なんかとか言っちゃダメだよ。それに何であんな危ない事したの?俺が助けてなかったら…』



言い終わる前に、力強く抱き締められる。


いつぶりだろうか、久々に触れた温もりに
胸の底がじんと熱くなった。



細くて、それでいて自分よりもたくましい背中に
そっと腕を回した。

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作者名:みやたま | 作成日時:2021年10月16日 0時

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