HPB編・紀章 ページ24
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確かに誕生日は記念すべき日でもあるけど、30越えた辺りから案外どうでも良くなって来ているし寧ろ辛い。時間って流れるの早いなぁ…というのが個人的な四十路の意見です。ライブはなんの不都合も無くアンコールまでも終え、私と真守くんは控え室に呼ばれる。汗でぐっしょりになりながらもまだ冷めぬ楽しさを垣間見せ、やはり疲れた雰囲気でこちらを見て笑う。
「ライブお疲れ」
「ん、おう。んでも他に言うことあんじゃねーのー?」
「…誕生日おめでと」
「やっぱ凉姉ちゃん、若干照れてる」
「真守くんは黙らっしゃい。はいこれ、アルバム」
「おー、綺麗じゃん」
受け取ってジャケットを見る紀章の姿がどことなく色気を持っているように見えたのは何故か。多分無駄に露出が多いのと、体温高くて肌が赤くなってるのと、汗をかいているからだと思う。認めるのは癪だが「水も滴るいい男」というやつだ。ちょっと腹立つ。そしてナチュラルに褒められるとどうも照れるので逃げたいが、生憎個室タイプなので無理だった。
ジャケットは7色分のバラの花束を持って振り向いたの写真だ。スタッフさんに呼ばれて咄嗟に振り向いた時、カメラマンがここぞとばかりに撮ったそうで。撮影者のシャッターチャンスというのはその人のいい部分を全面に出す瞬間だから、私には分からない。因みにバラの花言葉を用いて今作は出来た。バラは色によって花言葉が変わるらしいので考えていて楽しかったところもある。
「やっぱ私って綺麗だからさ、どの角度でも映るから」
「自分で言っちゃうのなー、否定しないけど」
「あ、写真撮ろうよ! お忍びで居たよって!」
「いいね、撮ろう」
近くに居たスタッフさんに頼んで撮って貰い取り敢えず私達はそこでお暇した。長居してても片付けの邪魔になるので、細かいところはまた追々とのこと。取り敢えずおめでとうは伝えれたし、物も渡せたから満足だ。
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Twitter
@涼原
お忍びで
あと紀章おめでとう
【ライブ終わりの谷山と宮野と鈴原の写真】
@リプ
あぁ通りでなんか凄いオーラの人が近くに居るなぁと…
@リプ
鈴ちゃんかわええ…きーやん疲れ果ててるw
@リプ
行けなかった!!行けたら会えたのか…?
とにかく紀章さんおめでとう!鈴花ちゃん可愛い!
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