if・お詫びなのに時間かかる ページ16
．
「りょぉかぁ〜〜」
「ほんと、過労死するかと思った」
「俺凉花不足で死ぬかと思った」
「じゃあ紀章不足でも、って足しとく」
両手を広げた直後、少々大股で歩きソファに座っている私を抱き締める。腰が高めと言えど、純粋な背丈が既に負けてる私は紀章の首元に顔を埋め、紀章は私の肩に顔を置く。お互い背中に手を回し、温もりを確かめ合う。これだけじゃ足りない、久しぶりにもっと感じたい……そうは願っても安心からのせいか突如睡魔が襲う。
重量に逆らわず瞼を落とし、襲う睡魔にも従順に従う。紀章が喋っているけど、遥か遠くから言われてる気分で聞こえない。それが完全に遠く聞こえなくなる時は寝落ちていることになる。…もう聞こえないからきっと寝てる。
「…あれ。あー、寝てんじゃん…
それもそうか、働き尽くめだっだもんな」
ほんの数分後、聞こえてくるのは静かな寝息。久しぶりに会えたこともあり、色々と話したいことはあったものの何よりも先に彼女を充電したかった。それでも、話したい欲求も自然と出るものだから抱き締めながら最近寝れてるのか、ちゃんと食べれてるか…など当たり前な行為を行っているかの確認。が、叶わず彼女は寝てた。
取り敢えず、寝れてないことは確からしい。それなりの体重を持つ体を抱き上げ、ベッドに運ぶ。疲れ果てた顔して、でも安心しきった顔で寝ている。今日の仕事はさっきやったもので終わりだし、1日だけだけどずっと居れる。
「…んーっ、俺も寝よ」
コイツが近くにいるだけで自然と口角が上がる。パパっと部屋着に着替えて、凉花が寝てるベッドて一緒に寝よう。そうと決まれば、と行動に移し想像より早く着替え終わった。躊躇なくベッドに入り、顔を覗く。抱き締めるだけじゃあ満足出来ないから、おでこと耳にキスを落として満足したことにした。
勿論意味はある。だって、俺だもん。意味なしで唇以外にキスなんかしねーっての。…なんて考えてたら寝てた。
．
額→称賛、祝福
紀章的に言うと
「頑張ったな、お疲れさん」
耳→独占欲
紀章的に言うと
「あくまで俺の彼女なんだからな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
