分隊長のストッパー【スリー】 (ページ35)

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『5年前に、巨人に壁が破壊されて、その、巨人たちは実は壁外から来た人類で…一人は今壁内で捕え、壁を破壊した巨人は、今、この眠っている金髪の兵士が継承して、エレン・イェーガーという兵士が、巨人化できて、その兵士が今回の作戦で、この壁を塞いだ……』

モブリットが今話してくれた事を頭のなかで復唱したが、本当に訳が分からなかった。

人間が巨人を操れるって事でも、頭がパンクしそうになるのに、今隣で寝ている兵士が巨人って……訳が分からん……

それに、5年よりも前の記憶も僕には無いって事は……僕、何歳なんだろ。モブリットも……

『…モブリット……イケメンに育ったなぁ…』

モブ「は？……はぁぁぁあああ！？自分が今こんなにも大変な時にAと来たらぁ…！！」

顔をほんのり赤くしながら叫ぶモブリット。照れ隠しの仕方は変わってないんだな、と思えば、安心する。

軽く笑っていると、モブリットが怒った顔をしながら、包帯を取り出した

モブ「頭と右手の包帯変えるぞ！」

『頭も怪我してたのか…』

モブリットは少し呆れ顔をして頭の包帯から取り掛かった

モブ「額の傷…跡がのこりそうだ……。右手も……」

『そうか……』

血が滲んでいる包帯でぐるぐる巻きの右手を見ると、また記憶が流れ込む

轟音と視界が光に包まれている中で、僕は誰かに向かって右手を伸ばしている。

そして、目の前に何かが降ってきて目の前が真っ暗になった

ハッと現実に戻る

モブ「A、右手の包帯とるが、目を瞑っとくか？」

『…いや、自分の体なんだから見ておくよ』

そう言って見たことを少しだけ後悔した

肘の20cm下から大火傷、手先は少し爛れている。はっきり言ってエグい。気分が少し悪くなった

『こ、れは、跡が残るよな…』

これで跡が残らないってなったら、大抵の怪我は治るだろう。そんくらいに、右手は負傷していた

モブ「分隊長が言うには、治ったら問題なく動くとさ」

『そっ、か……。調査兵団に入団してからさ、僕、モブリットに迷惑しか掛けてなかっただろ……ホント、すま「かけてない！！」』

モブリットが珍しくガチ怒ってるのを見て驚く。でも、僕は今までずっとモブリットがいないと何も出来なかったのに…どうして

モブ「Aがいなかったら、助けてくれなかったら、俺も分隊長も死んでた！そりゃ、勝手にどっか行って怪我して帰ってくるなんてことをした時には心配したけど、皆…っみんなAを頼りにしていたし、信頼していたよ」

そう話すモブリットは、最後に辛い顔を見せた。何かを堪えてる、そんな顔だった