Daily life of military people (ページ34)

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猫耳幹部の謎ページ34

Noside

「……私のところ、敵来なさすぎない？」

そう１人で呟くのはイチゴネコ。耳に猫耳を生やしている人間。
生まれつきこうだったわけではない。昔はただの人間だった。

だが、生まれたときから、すでに実験体であった。
檻に入れられ、いつも同じ時間に、同じ食事が出される。
檻を出たのは、11歳のときだ。

白衣を着た男性が、鍵を開けた。

「E-13番、こちらへ来なさい。」

嫌な予感しかしなかった。
でも、抵抗しても無駄なのは分かっていた。

おとなしくついていくと、手術室と書かれたところどころ錆びている部屋に入れられ、
ベッドに寝かされた。
──このときから、もう死を覚悟していた。

「それでは、手術を開始します。」

白衣の女性がニヤリと笑った。生きることを諦めたイチゴネコは、ゆっくりとまぶたを閉じた。

だが、彼女は数時間後、目を開けることができた。

「……？？」

困惑した彼女を、白衣の大人たちは、鋭く睨む。

「途中までうまくいってたのになぁ。」

「こいつが暴れるから失敗したのよ。」

「失敗作はそこらへんに捨てとけ。」

イチゴネコは、道端のはしっこに置かれ、大好物の苺を貰った。

自分が捨てられたことを理解したのは、その数秒後だった。

「……あ！ようやく敵が来たよ～」

そんな彼女は今、灰色の雲の下で軍人として戦っている。

あのあと彼女に何があったのか。どうして軍に入ったのか。

──それは、未だ誰も知らない、彼女だけの秘密である。