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110話 ページ18

『………






…ちゅー…?


………それは…擬音語…?』






「……は?」






『………


…日本では……ネズミの鳴き声を…そのように表してた…。


……ネズミと…なにか…関係ある……の?』







本気かと問いかけようが、このきょとんとした顔を見る限り、本当なのだろう


あまりにもじっとこちらを見つめてくるものだから

零は耐えきれず視線を逸らした













「…あーー、やめだ。やめ。」




ポンッと軽く蓮の頭を撫でると立ち上がった





「余計なことを吹き込むところだったわ。


悪かったな。」






対して蓮は突然頭に手を乗せられたからか、不思議そうに頭を摩る







「お前、今授業中だろ?


ちゃんと出席しねぇと留年しちまうぞー。」







俺みたいにと付け加えるとそのまま零はその場を去った
















1人取り残された蓮





チンピラに絡まれたにしてはあっさりとしていて

その意味も全くわからなかった












『……………赤目の……黒いひと……。』









遊莉から多少は聞かされていた




この学院の生徒会長、朔間零

圧倒的才能とカリスマ性を持ち合わせたスターと名高いアイドルである




遊莉が言うには注意すべき人物らしい









『(…………変な人……。)』



















(…ちゅー……?)

(…ネズミと…なにか…関係がある…の?)






あんな反応をされるとは予想外だった


あのまま本当の意味を教えても良かったのだが、それはやめておこうと思ってしまった








キスなんて零自身本気になんてしていなかった





ただのちょっかいのつもりだったはずが




口にした瞬間、想像というのはより現実味を増したものとなるのだ


















「(…なんで俺の方が照れてんだよ…!!)」







片手で顔を覆い隠した


じわじわと熱が上がるのを実感する




叫びたくなるような羞恥心に心臓までも焼き切れてしまいそうだ








「(くそっ!


俺様をこんなに振り回しやがって…。)」







頭の中では憎たらしいような言葉が出てくるが


気持ちはそんな暗くはない

締め付けられるような感覚はまた別の要因がある



それを不本意にも自覚しているからこそ


零はとことん乱される















「(これ以上翻弄されてたまるかよ。)」







やや大股に、そしてズカズカと乱暴に歩きながら桜が散りゆく下をくぐった

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作品ジャンル:アニメ
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作者名:アニット9 | 作成日時:2022年12月25日 21時

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