29. ご褒美 ページ29
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「てすと、きらい！」
「なんで？」
「やって、らっだぁ、おれにかまってくれへんもん」
「テストのためのお勉強やからなぁ。応援してあげてや」
「や！それだけやないし…」
ゾム君は、私の服の裾をきゅ、と掴む。
「あいつ、なきそうなかおするんやもん。やから、てすとなんか、おれがたおす」
泣きそうな、かお？
「…ねーちゃん、これ」
「なぁに？」
「あいつに、…」
照れくさそうに渡されたものは……
「ふふっ、絶対喜ぶよ。渡しとくね」
「っ！おん！！これ、ねーちゃんの分やから！」
「あ、私のと、ぺいんとの分もあるのね」
「あたりまえやん！！」
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するり、とらっだぁの顔へ手を持って行って、
思いっきり頬を引っ張る。
辺りにチャイムが響く。
「い…ひゃ、い」
「お前が悪い。くらえ、ゾム君直伝、変な顔ふっとばし攻撃！」
「ほんひょに、ひひゃい！！」
そのまま教室まで連れていく。
試験は15分以内の遅刻であれば、受けることは可能であるため、
そのまま私達は着席して試験を受ける。
「集中できなかったんだけど！」
「あはは、サボるとか言うからや。似合ってんで」
真っ赤になった頬をさするらっだぁ。
無事、全ての科目を終了した私達。
ぺいんとは、歴代の中でトップクラスに手ごたえを感じているみたいだ。
「今日の放課後、どこかいこうよ〜」
「うーん…」
「クロノアさんのカフェとか」
「よし、行こうか」
先ほどから元気のないらっだぁの手をぺいんとが引く。
あ、そーいえば、
「これ、ゾムくんから。情けない姿のらっだぁへ向けてのご褒美です」
「…はっ」
"1にち あそべる 券"
券の字はおそらくチーノさんか、ショッピさんが書いてくれたようで。
"べんきょ、なんかせん！あそぼーや！"
文字を書く練習も、
絵本を読むことも聞くことも嫌いなゾムくんは、
トントンくんはもちろん、シッマやロボロくんよりも
字を書くことが苦手。
「どうやら、らっだぁさんが勉強している様子を見てから、頑張るって意気込んでいるみたいで…。」
エーミールさんからも、その成果は耳にしていた。
ゾムくんが必死に頑張って作ってくれたこの券は、
「…はぁぁ…、」
「ゾムくんはこんなに字の勉強頑張って、ご褒美まで用意してくれたのに、サボるとか許さんから」
私たちにとって、宝物だ。
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のんたん(プロフ) - 主様の作品大好きです！すごい引き込まれるし面白くて大満足です！少し垣間見える闇がたまりません。のんびり待つので更新は主様のペースでお願いします！定期的に見に来て余韻に慕ってます！！ (10月15日 11時) (
レス) @page38 id: d906a8bcb0 (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - え…これさ、夢主ちゃんの親、疑っていいやつ…？ (10月5日 18時) (レス) @page35 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ミミック(プロフ) - 見てる途中に見れなくなってしまいました。パスワードの解除待ってます (8月22日 23時) (レス) @page8 id: 552a25aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
リトマス紙 - 主様のこちらの作品最高すぎます…！！丁度今一気見させていただいたところなんですがなんとも言えない余韻に浸ってます…！！笑笑のんびり待つので主様もゆっくりご自分のペースで更新、頑張ってください！！好きです！！() (7月26日 5時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - ｸﾞｯﾌｯ(照れるemがすっげぇかわちぃ)(*´’Д’) : ;* : ;ｶﾊｯ (7月2日 16時) (レス) @page14 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
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