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…
「A！！」
体調平気かと、教室に入る也心配してくれる鳥井。
過保護すぎる彼を落ち着かせるため、元気元気と笑う。
「さっきの授業、古典だったんだ…」
後ろの黒板を見て、絶望する。
古典の先生は、典型的な睡眠授業。先生一人が古文について熱弁して話が脱線していくため、黒板の板書も、先生の説明も、古文の翻訳もノートに上手く書きとれないのである。
ちなみに先生も古文の魅力について語ればそれでいい、といった感じで。
生徒が寝ようが、他の科目の課題をしようがお構いなし。
「板書したで」
だから、ノートは諦めようと思っていた。
そもそも不良の彼がこの授業を真面目に聞き、板書できるとも思えないし、筆箱とノートを持参しているとも思えない。”板書してくれるとありがたい”とは言ったものの、失礼ながら期待はあまりしていなかったのだが…。
「え」
「ん」
ぴらり、と差し出された一枚のルーズリーフ。
そこにはきっちり読める字で古文がツラツラ書かれていた。
「あ、ありがとう…ございます」
思わず敬語になる。
しかし、席についてルーズリーフを受け取ろうと引っ張るも、鳥井はぐっ、と紙を掴んだまま離さない。ここに来て急な意地悪？
「あの、鳥井サン？」
「その鳥井ってやめてや」
こちらと目を合わせて、不貞腐れた表情の彼は、口を開く。
キラリと光る鋭い瞳は、綺麗な緑色で思わず見惚れてしまった。
「ゾムって呼んで」
じゃなきゃ渡さん、と頑なな彼。
苗字がそんなに嫌なのかと反省し、私も彼を呼ぶ。
「ゾム」
さすればゾムは、目を見開いてそのまま口元に手をやりそっぽを向いてしまった。
何なんだ、一体。
彼の机の上に放置されたルーズリーフを”取りますね”と控えめに声をかけ、そのままノートに書き写していく。
ルーズリーフの文字は、所々解読不可で、
至る所に意味不明な線があったり、
隅に先生(多分)やシャオロン(恐らく)の似顔絵が登場してたりして、
やっぱり眠たくて暇だったんだろうなと笑ってしまった。
それでも重要な箇所の授業内容はしっかり書いていてくれて、
思わず嬉しくて頬が緩む。
未だこちらを向いてくれないゾムに、
「ありがとう」
ともう一度お礼を言った。
「どーいたしまして」
やっぱりこっちを見てはくれなかったが、
素っ気なくて、
尚且つ温かい返事が隣の席の彼から聞こえた。
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わとまる - この賞セス (5月19日 22時) (
レス) @page21 id: 91c3072f2a (このIDを非表示/違反報告)
人形傀儡(プロフ) - 心に刺さりました。めっちゃ好みです。 (2022年6月25日 18時) (レス) @page9 id: ebc8796329 (このIDを非表示/違反報告)
える＠脅威推し - りぃさん» ご飯だけじゃなくて夢主ちゃんにも依存してくれると嬉しi(((( (2022年6月21日 16時) (レス) @page5 id: e5ffed06b8 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 好きな作品だ…こういう性格？のzさん好きなんです…ご飯に依存しかけてますがこれからどうなるか楽しみです…！！ (2022年6月21日 3時) (レス) @page5 id: ed9e6e4b74 (このIDを非表示/違反報告)
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