刺 激 ___ ( 赤 )

+ 40 ページ40

your side.





朝、起きたら8時。

今日もモノクロの世界、変わらない

外を見ると、空は真っ黒で強い雨が降っていた

なんだ、今日屋上行けないじゃん、

でもきっと重岡くんのことだから、傘さしても屋上行くんだろな、

と思いながら着替えて、髪の毛を整えた

彼に会おうとドアを開けると大きいシルエットにぶつかった


『 痛っ、… って望、？』

「 … Aっ…」


顔を見ると、目は赤くて確実に泣いた感じの望

大切そうに手紙を持っていた


『 え、望、？どうしたの？…なんかあった？、』


何かを堪えながら伝えてくる



「 待って、今からどこ行くん 、」

『 … え？、重岡くんのところだけど、
今日会う約束してるの、よかったら望も来る？』



みるみる顔が変わってく望は涙目になりながら私を抱きしめた

あれ、また私、変なこと言ったのかな、

何が何だかわからないまま、今望の胸の中にいる



「 … ！ 今は行ったらあかんっ、絶対行くな 』

『 へ？、なんでよ、重岡くんならもう起きてるだろうし、行かなくちゃ… 』



と言うと、胸の中だったのが離されて両肩を掴まれた

片手に手紙はある

真っ直ぐ私のことを見る目はもう涙が零れそう



『 …何、ほんとどうしたの？、』


「 …A？、…これから言うことほんまやからっ、」


『 うん、だからなんかあった、？』


「 実はなっ、… しげっ、死んでしまってんっ…」




へ？、嘘だ、ほんと望おかしいよ。

だって、あんなに昨日元気になってた

あんなに笑顔だった、 重岡くんが？




「 今日の朝っ、発作が出て…そのままっ…」


『 … え、？… 何言ってるの？、重岡くんはっ、』


「 … ごめんっ、ほんまやねんっ、俺がっ… ごめんなっ…」


『 … え？、嘘だ、ねえ、望っ、嘘だよね？
… いつものように冗談って言ってよ！！』



嘘だ、嘘だ

そんな簡単に約束をやぶる重岡くんじゃないでしょ？

また明日って言ってくれたじゃん




『 やだっ、信じないからっ、…』


「 Aっ… この手紙…しげから預かってきた。

今読んでほしい、なんて書いてあるかわからんけど

Aに渡してって、最後まで俺にっ… 」


『 … 重岡くん、が、？ 』


「 ひとりで読むのもええし、ひとりが嫌やったら俺がおる。どうするっ？、… 」



現実を受け止められない私が

" ひとりで読む " を選択すると

望は " 外で待ってる " と言ってドアを閉めた



震える手で手紙を開いた






.

+ 41 〇→←+ 39 ＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す