刺 激 ___ ( 赤 )

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Nozomu side.




久しぶりのオフの日にしげに会いに来た

流星は、相変わらず補習で手こずっとるみたい

ガラッとあけると、そこにはしげはおらんくて。


おかしいな、いつもはおるのに今日はおらんなんてな。

どうせまた屋上やろ、と思って足を運んだ


きっと、屋上に行ったら

「また来たん？もうこやんくてええよって言うたやん！あひゃひゃ！」

なんて笑ってくれる、そう思ってた。





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ほんとに軽い気持ちでドアを空けると抱き合う男女。

やけど一瞬でわかった。




「 …え、 A？、」







涙目になりながら彼女は消えそうな声で『 … 望っ、』と俺の名前を呼ぶ



「 どうしたん、え…しげ？、」




駆け寄ると、


ぐだっと汗をびっしょりかいてるしげ


『 重岡、くんがっ… 重岡くんがっ… 』


と泣いてしまったAに「大丈夫やから」と大丈夫でもないのに言う

ただ震える彼女を安心させたかった






しげ、なんやねんこれ。

そんな姿、Aには見せたくない言うてたやん






「 … 望 、？… ﾊｧ、なんでこんなっ、ところ、おんねんっ、」


「 しげ、お前っ、」


「 … 止められやんかった… ごめんなっ、望、
Aも、ごめんなっ… ってなに、泣いてんねん、」


力のない笑い方をするしげを見てると何にも言えなくなる


「 しげっ… 」


『 重岡くんっ、いなくなっちゃうんじゃないかと思ったっ、』


「 … 大丈夫っ、俺はここに、おるからっ、な？」




とAの手を握りしめて安心させてる



「 とりあえず、戻ったほうがええで、しげ。
そんなんやったら今後もっ… 」


「 わかっとるっ、… わかっとるから、」


「 …ほら、2人とも立てるか？、」


『 … うん、立てるっ、』




しげは立てそうになかったから持ち上げて車椅子に乗せた


「 ごめんなあ 」 というしげは弱々しい


人は弱くなると心まで弱くなってしまうのだろうか



AはAで、後ろで俺の裾をもってついてきてる



どうせしげが誰も呼ばんとってなんて言ったんやろ


発作止める薬があるはずやのに今日は何で持ってなかったんやろ、




「 しげ、少し落ち着いた？、」


「 おん、大丈夫やでっ、…」


「 … あんま無理すんなよ 」





嘘つけ。喋り終わったら苦しそうやん、胸らへん押さえてるやん


何年おると思ってんねん、そんなん流星でも気づくで








なんでそんなに強がるん、

もっと俺らに甘えてや、Aに甘えてや。







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