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目を開けると天井があった
病室には誰もいなくて、静かだった
「 ... あれっ、望 、」
机を見ると手紙が置いてあった
( 気失うなんてどんだけアホやねん
またお菓子で欲しいのあったら言って。じゃあまた )
置き手紙なんて臭いことする
メッセージアプリでよかったのに
時計をみると夕方の6時をさしていた
重岡くんと待ち合わせてるのは7時、あと1時間もある
でも倒れた原因なんて考える暇もなく、自然と足が動いていて気づいたら屋上にいた
ｶﾞﾁｬと音を鳴らして入ると、重岡くんはもちろんいない
昼の風と夜の風は違う
海の匂いと夜の風に打たれて灰色の景色に見とれていた
「 ... A？」
後ろから私の知ってる声がする
振り向くとやっぱり重岡くんで、特徴のある笑窪を見せた
「 やっぱりAや。つか、早いやん！まだ1時間前やで？ 」
「 ふふ、重岡くんこそ早いよ。まだ1時間前だよ？」
「 あ ... お互い思ってたのは一緒みたいやな 」
そう言われて気づいた
私は " 重岡くんに会いたかった "
昔のようにその笑顔を見せてほしい、そう思ってた
.
「 ぎゃははははは！！何それ！めっちゃおもろいやん！」
望の置き手紙の話をしたら、よほど面白かったのか爆笑してる重岡くん
私たちの距離は出会って2日目なのに一気に縮まって
空白の時間を埋めるように話は盛り上がった
" 綺麗やな " と海を見つめて言う彼は自分の綺麗さに気づいてないと思う
そしたら自然に言葉がでた
「 実はね、私色が見えないの。」
今、重岡くんはどんな顔をしてるんだろう
海の音だけが聞こえる
「 ... え、ほんまに言うてん？ 」
「 ほんとだよ、モノクロなの。
漫画の世界と一緒って淳太くんが言ってた 」
「 ... じゃあ、俺が色を教えたる。 」
「 ... え？ 」
「 ここな！めっちゃ綺麗な景色やねん、俺たちだけの秘密やで 」
私の目を真っ直ぐに見て伝えてくれた言葉は想像以上。
重岡くんのその黒い目で見る私はどうやってうつっているの
嘘だと言われて縁を切られてしまうとか
冗談はやめてよと笑うとか
そんなのは一切なくて彼はちゃんと受け止めてくれた
溢れ出す涙で滲んでゆく景色に、水性の景色がノイズ混じりに姿を彩っていく
" 泣くな泣くな " と笑いながらいう彼は私の頭に触れた
私は何をしてるんだろう
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みゆう。 - 私、ハッピーエンドが好きなのですが、これを見て、バッドエンドもいいなと思いました（笑）すいません、文字数が、。２つになりましたけど、次の作品も拝見させていただきます！言葉選びがご上手でもう最高の小説家だと思います！主さんの作品も主さんも大好きです！ (2020年5月6日 4時) (
レス) id: 64cca1ce50 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう。 - 今日、このお話を拝見しました。蝉さんの作品、これで２つ目なのですが、毎回涙腺が崩壊してます（笑）ハッピーエンドじゃつまらないって、紹介メッセージ？みたいなところに書かれていましたよね。 (2020年5月6日 4時) (レス) id: 64cca1ce50 (このIDを非表示/違反報告)
るい - めっちゃいいお話やって、号泣しました!なんかもう、しげーーーーーーってかんじです!笑 (2018年7月16日 15時) (レス) id: fe6c19477c (このIDを非表示/違反報告)
メイリ(プロフ) - なんのんさん» コメントは全て読んでいます！本当にありがとうございます、、こうやって気軽にしてくれると作者として嬉しいです。こんなのが作者と言えるのか分かりませんが、これからもよろしくお願いします(＞＜) (2017年4月4日 1時) (レス) id: 5da9c774ff (このIDを非表示/違反報告)
なんのん(プロフ) - コメント見てくれて本当に嬉しいです！ずっと待ってたんです、返信が欲しいんじゃなくてコメントを見て欲しくてこんなにも楽しく読めて本当にいい話でした！！！ (2017年4月4日 0時) (レス) id: 66b491b237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蝉
| 作成日時：2016年9月4日 20時
