刺 激 ___ ( 赤 )

+ 2 ページ2

.





あれから望は何回も " また来るから " と言って帰った




紫「 久しぶりの病院やな。大丈夫か、体調。」


『 ... うん。』




そっかと言うたか兄は私がどんな態度をしても笑ってくれる



濱田さーんと呼ばれて診察室に入った

久しぶりの中間先生は少し髪が伸びていて、相変わらず髪の毛は栗色。






.







黄「 ごめんな、急に呼び出して。実は話があってな、」


紫「 ええんやで、こっちは予定何もなかったし。どないしたん？」


黄「 Aちゃんの色のことやけど、何か大きく感動したり、強い刺激を受けたら治るかもしれやん。」


『 ... それ前も聞いたよ。』


黄「 やから、あと2学期まで1ヶ月あるやろ？ その1ヶ月、ここで入院して欲しい。」


『 ...え？』


黄「 検査になるけど、ええかな？」


不安と緊張で俯いてしまった


紫「 A、大丈夫やで。毎日、俺も来るからさ！」


黄「 Aちゃん、大丈夫かな？」



『 ... わかった、』




きっと私は笑えてないだろう

1ヶ月の入院。

部屋から出なければ人に会うこともない






.








家に帰ってからまたベランダから外を眺めて考え事をしていた


さっきから視線を感じるのはたか兄だと思う


きっと心配してる


でもね、もうたか兄には迷惑をかけたくない

ほんとに沢山迷惑かけた








『 ねえ、たか兄？ 』


「 んー？今日の夜ごはんならオムライスやで？」


『 違う、そのことじゃなくて、』


「 あ〜、A入院不安なんやろ。やから俺が毎日っ」


『 私大丈夫だよ。たか兄が毎日来なくても大丈夫。』


「 A？ どうしたん？急に。」


『 私、もう17歳だよ？そろそろたか兄離れしないと、ね？』









やっと言えた。

たか兄だって自分の仕事があると思うし、これでよかった

そしたら、" あんまり無理すんなよ " っていつもと同じように笑ってくれた



やっぱり、自慢のお兄ちゃんだなってつくづく思う







問題は小瀧望。

きっと望のことだから " 毎日行くから！！ " ってうるさそう


どうせ看護師さんのナース服が見たいだけでしょ






.







明日も灰色の世界に閉じこもったまま


淳太くんに言われた





" きっとAちゃんは色が見えるようになる

Aちゃんにとって刺激ってなんやと思う？ "






そんなのわからない



誰かがいなくなるとか殺されたとか



きっとそんなんじゃない気がする









.

+ 3→←+ 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す