音楽教師 ページ19
「はぁい、じゃあもう一度最初から〜。佐藤さんの指揮に合わせて、さん、はいっ」
「あぁ〜違う違う、止めて止めて、もう少し柔らかく歌わないと、もう一度〜」
「歌ってない人がいるけど、誰かしら。もう一回最初から全部やり直し、さん、はいっ…」
音楽教師・山田愛子。
柔らかい話し方をするが言葉は辛辣。自分の非を認めない自己中、生徒に対して無責任。
最悪なことに、合唱部の顧問。
そして俺達の音楽担当教師。
「おい健太、がちで言うのかよ？」
「昨日２人に言われちゃったし…行きたくないけど」
隣で顔を歪める尚信に俺は一言、付け加えた。
「言わないと部室使えないしさ。」
「そりゃそーだけどさ、関わりたくねーじゃん。俺いつも怒られてるし。」
芸術科目で音楽を選択しているのは俺と尚信だけで、真代瀧とたっくんに「合唱部の顧問に部室の件、言ってみて！お願い！」と言われた昨日の放課後。
いやもう絶対真代瀧が言った方がプラスになると思うけれど……。
そう思いながら授業終了のチャイムに気づく。号令が終わると尚信と一緒に、音楽教師の元へと歩いていく。事情を知っている三田と亜廉は先に教室に戻っていった。
山田先生、と声をかけた。
どうしたのだろうと不思議そうな顔で振り向いた音楽教師に、俺達２人はちらりと目配せした。尚信に話す気は無いらしい…。
「えっと、僕達軽音部なんですけど、部室がですね、合唱部のものになったらしくて、軽音部に提供してほしいなって思ってるんですけど……」
と、言うと音楽教師は案の定反論してきた。
「ん、どういうことかしら。軽音部はなくなったんじゃなくて？」
音楽教師はわざとらしく首をかしげると、ピアノの椅子に足を組んで座った。その動作にイラッとしたのか、尚信が舌打ちをした。
「いやあの、廃部は撤回してもらったんです」
校長先生に、と付け加える。
「ああ、そうだったの。じゃあ聞くけどね。軽音部には部室が必要で、合唱部には部室は必要ない、と言いたいのかしら？」
「いやそういうわけじゃ無いんですけど……」
あ、やばい、音楽教師の口調が変わり始めた。
１オクターブ、低くなった声に尚信も気づいているだろう。ボサボサの髪を掻きながら、話す彼女に少し気味悪く感じる。
音楽教師と俺の間に沈黙が生じ、冷や汗が垂れる。
そういうことよね？と圧を感じずにいられない。
自然と目線が下に向かった時
「……や、俺達も楽器置く場所必要なんすよ」
尚信が口を開いた。
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まきゅもきゅ＠九松(プロフ) - 結咲。さん» こちらこそありがとうございますぅぅぅぅぅ！貴方様の作品もずっと応援しています！ (2016年9月25日 19時) (
レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - まきゅもきゅ＠九松さん» ありがとうございます！ありがとうございます！ありがとうございます！泣 ぜひぜひ作品見に行かせていただきます！ (2016年9月25日 18時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
まきゅもきゅ＠九松(プロフ) - 結咲。さん» お邪魔させていただきました！すごく興味深いですね！思わず入り込んでしまうような・・・！宣伝もさせていただきますね！これからも頑張ってくださいね！私の作品もよければ見てって下さいね(笑) (2016年9月25日 17時) (レス) id: dd6ee1b572 (このIDを非表示/違反報告)
結咲。(プロフ) - ねこまんま 21号さん» ありがとうございます！(泣)ウレシすぎて死んでしまいたい！(泣)更新頑張ります！ (2016年9月18日 12時) (レス) id: aa201165a1 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまんま 21号(プロフ) - 面白いです！！ 更新、頑張って下さい！！ (2016年9月18日 11時) (レス) id: 0270f76ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結咲。 | 作成日時：2016年7月26日 14時
