71冊目 ページ25
しかも、30全般という若さで何度か名誉な賞を取っている業界では中々有名な監督だ。
「青葉、おめぇ何であん時俺の指示通りに笑わなかった」
ニヤニヤと楽しそうに笑いながら、座って甘いココアを飲むAに尋ねる。
『…悔しくって、笑えなかった』
ボソッと呟いた。
『悔しい』というのはA自身がでは無く、演じていた役の心情を読み取ってのことだった。
あの場面で確かにAは指示通りに笑おうとした。だが、1週間も前からその役になりきっているAはその役の悔しさがダイレクトに伝わってきて、思わず涙の膜が張っていた。
言葉も出なければ口角など上がらない。
悔しさのあまり叫び出したい気持ちを飲み込み、Aは2人に背を向けたのだ。
それを監督に説明された内野は目を溢れんばかりに見開いた。
「相変わらず面白ぇ演技だよなぁ。
まっ、器用とは言えねぇがな」
ガハハハッと豪快に笑う監督は、どこまでAの才能を見抜いているのだろうか。内野は少し恐ろしく思った。
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○○(プロフ) - この作品好きです!!主人公の実写化への思いよく分かります。私もいつも実写化があるたびになんでだー!?って叫んでます。これからも更新を楽しみにしています。 (2018年3月10日 2時) (レス) id: cebda297a8 (このIDを非表示/違反報告)
キメラ@(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!86冊目の時の主人公の2次元に対する気持ちが私と一緒で猛烈に同じ気持ちの人がいて嬉しいです!実写で原作沿いならいいのにー!!って思っちゃいます。あ、更新を毎回楽しみにしています。頑張ってください!! (2018年3月10日 0時) (レス) id: 4b1c9addd4 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど(プロフ) - ありがとうございます!まだまだ未熟で誤字も多いですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年2月21日 10時) (レス) id: 9300e8606e (このIDを非表示/違反報告)
ちゃい - いつも更新楽しみしております!66冊目にて誤字と思われるところがありました、まだまだ寒いので体調等ご自愛ください。 (2018年2月21日 8時) (レス) id: e224a93641 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもねーど | 作成日時:2018年1月14日 0時