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15. ページ16

カチャカチャと静かな金属音が聞こえ、目を開ければ、部屋の中はまだ暗かった。

音のする方へ目を向ければ、長い針金の様な者で牢の鍵を開けているゲゲ郎が見えた。
なるほど、硬化した髪の毛で牢の鍵を外側から開けるか。器用なものだ。


『どこへ行く』


背が高い為、頭をぶつけぬように少し屈みながら出てきたゲゲ郎に布団に入ったまま声を掛ける。


「朝風呂じゃ。夏場とは言え、朝は冷えるからのぉ」


肩を振るわせ、浴衣の先を伸ばして手を隠すゲゲ郎は、人間の様に見えた。


『…付き合おう』


たまには風呂も良いかと、昨日脱いだスーツを片手に部屋を出た。


「やはり風呂は皆好きなものじゃ」


ルンルンと気分の良さそうなゲゲ郎は、見張りの視線を掻い潜り、外へと出た。
掻い潜ると言っても、私達妖怪にとって人間の視線から逃れるなど、赤子の手をひねる程に簡単な事だ。
高い塀を助走もつけず飛び越えると、草木が茂る方へ進んで行った。

そして、着いたのは土手の下にある川辺だった。
その端に石で囲まれた池のようなものがあり、その前で浴衣を脱ぎ始めるゲゲ郎。

池からは湯気が出ているが、まさかこれが風呂か?


『水溜まりの様だな』


私が想像していたよりも開放的な…否、簡易的すぎる風呂に少しがったりした。


「仕方なかろう。この村には、温泉が沸いているところが少ないんじゃ。これでも頑張って作ったんじゃぞ」


しかも、この男の手作りときた。妻を探しにきたのでは無いのか、呑気な男め。
そんな私の悪態など気にもせず、ふぅと気の抜ける声を出し、湯船に浸かる男。


『付き合ってやろう』


私も浴衣を脱ぎ、少しぬるい湯船に足を入れた。

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せいた(プロフ) - めっちゃ面白い!続ききになるので更新楽しみにしております!! (5月4日 19時) (レス) @page18 id: 4527c8b3f3 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 上手く言語化できなくて申し訳ないぐらい神作見つけちゃったよ…どうしてくれんのよ大好きですBIG LOVE。作者さんの原作リスペクトも伝わってくるし違和感もないのホントうま杉田玄白でハゲそう。コメント250字しかできないのが辛いよ。更新全裸待機しときますね! (3月26日 3時) (レス) id: cc90a56098 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - やばばばばばめちゃ好きです… (1月4日 18時) (レス) @page18 id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもねーど | 作成日時:2023年12月19日 21時

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